時代小説●文庫新刊情報|2023年3月中旬の新刊(11日→20日)
2023年3月11日から3月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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光文社文庫
霜島けいさんの『生目の神さま 九十九字ふしぎ屋 商い中』
ある朝、店先に置かれた印籠にはふたつの目玉が入っていましたた。持ち主の按摩・寿安は、目玉の謂れを明かし、るいの力を貸してほしいと言ういます。表題作をはじめ、不思議を商う店を舞台に、るいとあやかしたちが活躍する大好評シリーズ第9弾。
篠綾子さんの『翔べ、今弁慶! 元新選組隊長 松原忠司異聞』
「四番隊隊長、松原忠司に切腹を申し付ける」新選組副長・土方歳三はこう断罪しました。鉄鉢巻をつけて大薙刀を携える様から「今弁慶」と称された松原忠司。潔く自刃しようとした瞬間、意識が途切れます――そして、目が覚めると、そこは源義経の生きる世界でした。時空を超えて、歴史の動乱に巻き込まれた不器用な松原の生きざまを骨太に描いた意欲作。
時代小説文庫
渋谷雅一さんの『質草女房』
「夫は、必ず戻ってきます」彰義隊に入った夫に、戦いの前に手元に金が必要だと質屋に預けられた妻・けい。彰義隊は新政府軍を前に敗走、男の行方もわからないが、けいはひたすら信じ、もう五月もの間待っています。
その質屋と昔から懇意だった貧乏浪人・柏木宗太郎は、手間賃を払う代わりに夫の捜索を頼まれ、動乱の江戸、そして逃亡先と考えられる会津へ。
第12回角川春樹小説賞受賞作。
講談社文庫
吉森大祐さんの『幕末ダウンタウン』
新撰組の新参隊士・濱田精次郎が旧知の噺家・桂文枝と再会し、寄席の舞台に立つよう勧められます。最初は固辞した精次郎でしたが、寄席という場所にはいろんな情報が入り乱れていると聞かされ、手柄を立てるきっかけになるかもしれないと迷い始めます。
ある日、一人の芸人が寄席を笑いの渦に巻き込んでいるのを目のあたりにして衝撃を受けてしまういます。それは長州藩士とつながりのありそうな元芸妓の松茂登だっでした……。
武内涼さんの『謀聖 尼子経久伝 雷雲の章』
戦国初期に活躍した山陰の雄、尼子経久。「謀聖」と言われるほど計略に優れた人物でありながら、「天性無欲正直の人」と評された得体のしれない個性。
中国地方の覇者を目指し、大内氏らとの激闘を繰り広げる尼子経久。円熟期を迎え、尼子氏は隆盛を極めるかと思われましたが、暗雲はその足元から湧き立ち始めていました……大河歴史小説シリーズ、哀切の完結巻。
矢野隆さんの『戦百景 山崎の戦い』
天正10年6月2日、本能寺の変で織田信長が横死すると、収まりかけていた天下の趨勢が大きく動き始めるます。備中高松城で毛利方の城主・清水宗治を攻めていた羽柴秀吉は、毛利家と和睦。電光石火の早業で畿内に取って返します。
他方、信長を斃した明智光秀は、頼みとしていた縁戚の細川藤孝・忠興父子や寄騎だった中川清秀、高山右近、筒井順慶らを味方に引き入れられず、劣勢のまま秀吉軍を迎え撃つことになりました。
運命の6月13日、京への入り口にあたり隘路でもある山城国・山崎を決戦の地に選んだ光秀は、天王山を占拠していた秀吉軍とついに激突を……。
双葉文庫
井原忠政さんの『三河雑兵心得【十一】-百人組頭仁義』
家康の馬廻から百人組頭として戦場に復帰となり、意気軒昂な茂兵衛。ところが、「真田との和解を天下に示す策を述べよ」との家康の命に、本多平八郎の娘・於稲と、真田源三郎の婚姻を提案したから、さあ大変。
当然のように平八郎の説得を命じられてしまいます。はたして茂兵衛は、家中きっての「真田嫌い」の猛将を陥落させることができるのでしょうか!?
戦国足軽出世物語、第11弾。
千野隆司さんの『おれは一万石(24)-若殿の名』
二人組の侍に襲われていた身なりのいい武家の男児を助けた北町奉行所与力の山野辺に頼まれて、高岡藩上屋敷で男児を預かることになった正紀。身元を明かさぬうえ、自らの屋敷に帰りたがらぬ男児を、妻の京とともに温かく見守る正紀でしたが、この男児が、意外な人物の子だと判明し……。人気シリーズ、注目の第24弾。
金子成人さんの『ごんげん長屋つれづれ帖【六】-菩薩の顔』
お勝たちの隣に住まう足袋屋『弥勒屋』の番頭治兵衛。二十六夜待ちで月光の中に菩薩様のお姿を見たと言ってご機嫌だったはずのこの男が、ここ数日浮かぬ顔をしているといいます。
『弥勒屋』の主の徳右衛門から話を聞いたお勝は仕事帰りに店の前を通りかかるがと、そこで船頭姿の若者と揉めている治兵衛の姿を目にしました……。
くすりと笑えてほろりと泣ける、これぞ人情物の決定版、シリーズ第六弾!
集英社文庫
諸田玲子さんの『嫁ぐ日 狸穴あいあい坂』
妻木への初恋を胸の奥にしまい、御先手組の小山田家へ嫁いだ結寿。やがて夫の万之助と心を通わせあい、娘の香苗が誕生。ところが、予期せぬ出来事が婚家を襲います。
辛い別れを経て狸穴町へ帰った結寿。懐かしい人々との穏やかな毎日が始まるかと思いきや、かつてのように、妻木とともに様々な事件の解決に走り出すことに。
罪に苦しむ人々の心を解きほぐすうちに、結寿自身の心にも変化の時が訪れ……。
杉山大二郎さんの『大江戸かあるて 桜の約束』
貧しい人を助けたい──。天明3年の浅間山大噴火で唯一の肉親を亡くした少年・駿は、苦労を乗り越えて江戸いちばんの医者を目指します。書き下ろし時代小説新シリーズ開幕。
!おすすめ度
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■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし
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