時代小説●文庫新刊情報|2022年3月中旬の新刊(11日→20日)
2022年3月11日から3月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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今回は、まず、祥伝社文庫の新刊に注目しています。
馳月基矢さんの『萌 蛇杖院かけだし診療録』。
医師見習い長山瑞之助は、破落戸にからまれている賀川流の産科医船津初菜はを救いました。初菜は命を狙われていても、ひたすら妊婦の元へと足を運び、因習や迷信に振り回され命がけとなるお産に、優しく寄り沿っていました。心も癒す時代医療小説第2弾。
岩室忍さんの『擾乱、鎌倉の風(上・下) 黄昏の源氏』。
清和源氏の嫡流である源頼朝は関東で挙兵するも京を目指しませんでした。朝廷の権謀術数を嫌い、北条氏ら坂東武者の頂点として鎌倉で武家政権の足場を固めていきます。
『信長の軍師』の著者が、坂東武者にとって鎌倉殿とは何者だったのか、源頼朝による武家政権の確立は関東の御家人に何をもたらしたのか、を描きます。
光文社文庫の新刊も要チェック。
近衛龍春さんの『御館の幻影 北条孫九郎、いざ見参!』。
北条孫九郎網成は、北条家の支城城主の息子として生まれました。しかし、母が今際に本当の父の名を明かしたことから、人生は波瀾に満ちたものに……。
三国一の美将といわれた北条孫九郎の華々しくも哀しき生涯を、歴史小説の名手が描きます。
伊多波碧さんの『みぞれ雨 名残の飯』。
隅田川沿いの橋場の渡しにある一膳飯屋『しん』には、訳ありな客たちが、一時の休息を求めて訪れます。我が子との別れを決意した女、夢破れた元戯作者、男勝りで剣術に没頭する女剣士……。皆、この店にいると素直になれ、ある者は新たな一歩を踏み出し、ある者は過去と決別します。母と娘が営む一膳飯屋を舞台にしたシリーズ、第2弾。
講談社文庫でも、気になる作品があります。
入月英一さんの『信長と征く 1 転生商人の天下取り』『信長と征く 2 転生商人の天下取り』。
桶狭間の戦いに勝利した織田家に大博打を仕掛け、その度胸と知恵から信長に一目置かれた商人がいました。名は大山源吉、21世紀から時を遡り転生したという秘密を持つ男です。
誰が覇者になるか、21世紀の知識を持つ商人の野望は信長を支えつつ、銭の力で天下を取ることを目指し、乱世を突き進みます。
時代小説アンソロジー、『五分後にホロリと江戸人情』。
現役で活躍中の時代小説家、風野真知雄、稲葉稔、輪渡颯さん、岡本さとる、泉ゆたか、三國青葉、吉森大祐(敬称略)の各氏による、江戸の長屋を舞台にした、笑って泣ける人情短編の競作です。
快進撃にまた一段ギアを上げて、眩しい存在の今村翔吾さん。
その出発点といえる、「羽州ぼろ鳶組」シリーズ。
その最新刊、『恋大蛇 羽州ぼろ鳶組 幕間』が、祥伝社文庫より出ます。
“蟒蛇(うわばみ)”こと、京都常火消、淀藩火消組頭取の野条弾馬を主人公にした表題作のほか2編を収録した、シリーズ初の外伝的短編集。またしても感涙の予感。
!おすすめ度
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■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし
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