時代小説●文庫新刊情報|2022年3月上旬の新刊(1日→10日)
2022年3月1日から3月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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今月は、PHP文芸文庫が楽しみです。
発売日がタイトルによって異なるのでご注意ください。
宮部みゆきさんの『きたきた捕物帖』。
大好きな捕物シリーズの待望の文庫化です。舞台は江戸深川。岡っ引きの見習い北一と湯屋の手伝い人喜多次という「きたきた」コンビが力を合わせて事件を解決する捕物帖。
風野真知雄さんの『いい湯じゃのう(二)』。
目安箱への投書をきっかけに、将軍・徳川吉宗は身分を偽って町の湯屋を訪れ、市井で起こる謎を解くことに。一方、お庭番・湯煙り権蔵とくノ一・あけびは、吉宗のかつての想い人の行方を追って龍神温泉へ。ユーモア時代小説の第2弾です。
江上剛さんの『住友を破壊した男』。
危機に瀕した住友を救った“住友中興の祖”伊庭貞剛の、生涯に迫るノンフィクション・ノベル。住友家二代目総理事として住友銀行創設などの英断を下し、“住友中興の祖”とよばれた伊庭貞剛。幕末、志士として活躍した後、新政府に出仕して司法界に。その後、住友家初代総理事の広瀬宰平に招聘され、住友に入社しました。
ポプラ文庫から出る、柳ヶ瀬文月さんの『お師匠様、出番です! からぬけ長屋落語人情噺』が気になります。
堅物娘の伊予は、「からぬけ長屋」の大家から、腕はいいが店賃をまったく入れない「困った店子」こと落語家・烏亭邑楽の話を聞き、ある行動を起こします。笑って泣ける、人情時代小説。
人気落語家の立川志の輔さんの『大河への道』が河出文庫から刊行されます。
2022年5月公開予定の映画「大河への道」の原作となった、新作落語「伊能忠敬物語―大河への道―」をもとにした小説。詳細な日本地図を作った伊能忠敬の生涯を描き、その物語を大河ドラマにしようと奮闘する人々を描く現代劇です。
小学館文庫の新刊も注目です。
根津潤太郎さんの『看取り医 独庵 隅田桜』。
浅草諏訪町にある独庵の診療所に、長崎遊学中ともに勉学に励んだ佐田利良が訪ねてきました。
佐田が独庵を訪ねたわけは、脚気を患い、白内障も発症した内儀に先、この春の桜をひと目見せてやりたいので、眼科の名医を紹介してほしいということでした……。好評シリーズの第3弾です。
坂岡真さんの『人情江戸飛脚 ひとり長兵衛』。
人の嫌がることを探って、飯の種に換える影聞きの伝次と、飛脚商の主人・浮世之介が弱き者を夢うつつへといざない、悪党をお天道様に代わって仕置きする、風流時代小説第2弾です。
朝日文庫の新刊も押さえておきたいところ。
神楽坂淳さんの『七代目銭形平次の嫁なんです』。文政年間の江戸。家光の代からの岡っ引き「銭形平次」の6代目は高齢であり、まだ若い平蔵に「平次」襲名の話がきました。条件は、事件を解決することと女房を持つこと。名誉ある銭形平次を継ぐ決意をする平蔵ですが……。七代目平次の嫁の活躍が楽しみな新リーズ誕生。
文芸評論家の細谷正充さんのセレクションによる、『朝日文庫時代小説アンソロジー「わかれ」』。
朝井まかてさん、 折口真喜子さん、木内昇さん、北原亞以子さん、西條奈加さん、志川節子さんという、時代小説の名手たちによる、市井に生きる男女の「わかれ」を描いた珠玉のアンソロジーです。
文春文庫からは、梶よう子さんの『菊花の仇討ち』が出ます。
変化朝顔の栽培が生きがいの同心・中根興三郎は、菊作りで糊口をしのぐ御家人・中江惣三郎と知り合います。その帰り路、興三郎は中江と間違えられて、謎の侍たちに襲われてしまいます……。
松本清張賞受賞作『一朝の夢』、『夢の花、咲く』に続く「朝顔同心」シリーズ第3弾。
双葉文庫からも楽しみな新刊が出ます。
千野隆司さんの『おれは一万石(20)-花街の仇討ち』。
高岡藩井上家世子の正紀は、三十年にわたって仇を追っているという高岡藩の下士と出会い、本懐を遂げさせるべく助力することになりました。
一方、北町奉行所高積見廻り与力の山野辺は、女衒のもとから恋仲の娘を奪い返そうとする、貧乏御家人の三男坊に力を貸します。二つの事件がつながるとき、物語は大きく動きます。シリーズ第20弾。
金子成人さんの『ごんげん長屋つれづれ帖【四】-迎え提灯』。
『ごんげん長屋』に新たな住人が加わり、住人たちの絆も深まる中、数年前に捨てた乳飲み子の行方を捜す旗本家の女中が現れ、長屋に騒動が。時代劇の名脚本家による、母子の人情話に、笑って泣けて心震えます。シリーズ第4作。
!おすすめ度
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