時代小説●文庫新刊情報|2021年12月上旬の新刊(1日→10日)
2021年12月1日から12月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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高橋直樹さんの『北条義時 我、鎌倉にて天運を待つ』が、潮文庫から出ます。
鎌倉武士を活写した中短編集『鎌倉擾乱』で中山義秀文学賞を受賞した、歴史小説の名手による、大河ドラマの主人公北条義時を描く、書き下ろし長編。
実業之日本社文庫の新刊、平谷美樹さんの『柳は萌ゆる』は、幕末維新の動乱に立ち向かった盛岡藩の若き家老楢山佐渡の激烈なる生きざまを描く歴史長編。盛岡藩にもこんな傑物がいたんですねえ。
文芸社文庫からは、白蔵盈太さんの『討ち入りたくない内蔵助』が出ます。
松の廊下刃傷事件の目撃者として、浅野内匠頭と吉良上野介の間に入ってしまった男、梶川与惣兵衛を描いた、『あの日、松の廊下で』で注目を集めた著者の、待望の第2作。
文春文庫の新刊にも注目しています。
葉室麟さんの『約束』。
平成の高校生が明治六年に転生し、維新直後を生きる青年らの体に入り込むという、エキサイティングな未発表小説が、いきなり文庫で登場します。
田牧大和さんの『古道具おもかげ屋』。
古道具「おもかげ屋」店主の柚之助はめっぽういい男だが古道具にしか興味がない。商いに精を出さずに、古道具にまつわる客の「困りごと」を解決してくれると江戸で噂です。
金子成人さんの『付添い屋・六平太 河童の巻 噛みつき娘』が小学館文庫から刊行されます。
材木商の娘らが徒党を組む「いかず連」に付添うことになった六平太。その会食の席に酔った若侍が乗り込み、狼藉を働きます。意趣返しを警戒した六平太は若侍に接触することに……。
徳間文庫からは、六道慧さんの『新・御算用日記 美なるを知らず』が出ます。
経理に明るい若き侍・生田数之進は幕府の御算用者で、身分を隠して諸藩に勘定方として入り込んで内情を探る役目を持っています。人気シリーズ「御算用日記」の生田数之進が再始動します。
幻冬舎時代小説文庫の新刊では、杉山大二郎さんの『信長の血涙』が気になります。
「俺に力を貸せ! この地獄の世を、新しき天下に変えるのだ」涙もろく情に厚い熱血、若き日のまったく新しい織田信長を描く歴史長編。『嵐を呼ぶ男!』を全改題し、大幅改稿して文庫化したもの。
祥伝社文庫から出る、有馬美季子さんの『つごもり淡雪そば 冬花の出前草紙』。
「はないちもんめ」と「はたご雪月花」で、第10回日本歴史時代小説協会賞シリーズ賞(文庫書き下ろし)を受賞した著者の、新「江戸人情料理帖」シリーズ。美人女将冬花のおもてなしで、寒い冬にほっこり。
今月は、ハヤカワ時代ミステリ文庫からも新刊が出ます。
鷹井伶さんの『天下小僧壱之助 五宝争奪』。
義経の弓矢、信長の髑髏水晶、淀殿の涙、独眼竜の虎目石、天草四郎の観音。義賊天下小僧と美しき仇敵が五つの宝をめぐって対決するエンタメ時代小説。アオジマイコさんの表紙装画にもそそられます。
伍代圭佑さんの『江戸留守居役 浦会 火盗対浦会』。
秘かに江戸の治安を守る〈浦会〉と決別した高瀬桜之助は、白河の世を騒がす似せ絵の怪に巻き込まれ、火盗と対立することになりました。シリーズ第2弾です。
!おすすめ度
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■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし
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