2018年12月11日から12月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2018年12月の新刊 中」を掲載しました。
今回は、講談社文庫から刊行する、赤神諒(あかがみりょう)さんの『神遊の城』を読むことを心待ちにしています。
著者は、『大友二階崩れ』で第9回日経小説大賞(2017年)を受賞した気鋭の時代小説家です。
戦国時代の豊後国大友家を描いた作品から、時代が少し遡り、今回は応仁の乱末期を舞台にしています。
応仁の乱末期、若き甲賀忍・三郎兵衛は細川京兆家当主暗殺のため京の今出川屋敷に潜入するが、返り討ちに遭い独りで生還する。10年後、足利第九代将軍義尚が、六角家征伐のため大軍を率いて湖南に陣を敷いた。三郎兵衛改め新蔵人は復仇のため、異父妹のお喬らと夜襲をかけるが、将軍に深手を負わせるにとどまる。手練れの武士に強烈な反撃を受けたためだ。新蔵人はお喬の目の前で爆死。お喬はその死を受け入れられず復讐を誓う!
本書は、呉座勇一さんのベストセラー『応仁の乱』で脚光を浴びている応仁の乱の後が舞台になっています。時代小説で描かれことが少ない時代であり新鮮な題材です。
足利第九代将軍義尚に甲賀忍が挑むという設定もワクワクさせられます。
※赤神諒さんの「神」の字は、「示」扁の「神」が正しい表記です。
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『神遊の城』(赤神諒・講談社文庫)
『応仁の乱』(呉座勇一・中公新書)