2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

小栗忠順|時代小説で読む歴史人物ガイド

アドセンス広告、アフィリエイトを利用しています。
スポンサーリンク

[お] 小栗上野介忠順|おぐり・こうずけのすけ・ただまさ|幕臣|幕末

小栗上野介忠順(幕臣)2027年のNHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」の制作が発表されました。
タイトルにもある「逆賊の幕臣」とは、幕末に勘定奉行や外国奉行、海軍奉行並などを務め、幕府側から近代化政策を推進した小栗上野介忠順(おぐり・こうずけのすけ・ただまさ)のことです。

小栗は幕府の財政再建、洋式軍隊の整備、横須賀製鉄所の建設などを手がけました。しかし、徳川慶喜の恭順に反対し、薩長との主戦論を唱えたため、罷免されて上野国権田村に隠居。最終的に薩長軍に逮捕され、斬首されました。

二千五百石の名門旗本の家に生まれ、文武に秀でた才能を発揮。33歳のときには、日米修好通商条約批准のための遣米使節団の一員として米艦ポーハタン号で渡米し、地球を一周して帰国するという華々しい活躍を見せました。
しかし、その後の悲惨な最期により、小栗忠順は「悲劇のヒーロー」として語り継がれています。

ドラマでは、彼の波乱に満ちた生涯がどのように描かれるのか、今から楽しみです。

小栗上野介忠順が登場する、おすすめの時代小説

●長編小説

佐藤雅美さんの『覚悟の人 小栗上野介忠順伝』
信念と使命に殉じ、日本の新時代の礎を築いた幕臣・小栗忠順の生涯を鮮やかに描いた作品。

童門冬二さんの『小説 小栗上野介 日本の近代化を仕掛けた男』
小栗上野介が日本の近代化に与えた影響に光を当てたノンフィクション小説。

大島昌宏さんの『罪なくして斬らる ―小栗上野介―』
明治の史観から脱却し、小栗上野介の再評価につながる契機となった歴史的名作。

●短編小説

赤神諒さんの『碧血の碑』収録「セ・シ・ボン」
フランス人造船技師・ヴェルニーと小栗上野介の友情を描いた短編。

小栗さくらさんの『余烈』収録「恭順」
幕末に活躍した中村半次郎、武市半平太、土方歳三らとともに、小栗忠順の最期が描かれる。
ドラマ化に合わせて文庫化が期待される一冊。

●幕末の幕臣を描いた作品

幕末を舞台とした作品にも、小栗忠順は脇役として登場します。

鳴海風さんの『怒濤逆巻くも』
幕府船による初の太平洋往復を成功に導いた男、小野友五郎の生涯を描く。

木内昇さんの『万波を翔る』
幕末から明治初期にかけて外交官として活躍した田辺太一を描く。

●小栗上野介と「幕府埋蔵金伝説」

小栗忠順が幕末に勘定奉行を務めたことから、後年「幕府の埋蔵金伝説」が広まりました。
これをテーマにした作品には、
典厩五郎さんの『小栗上野介の秘宝』
があります。ぜひ、復刊してほしい時代小説の一つです。

DATA
生誕:文政10年6月23日(1827年7月16日)
死没:慶応4年閏4月6日(1868年5月27日)
出身地:江戸
別名:幼名又一、官職名ははじめに豊後守を使い、後に上野介を使う。
役職:江戸幕府西の丸書院番、使番、目付、外国奉行、寄合席、小姓組番頭、勘定奉行、南町奉行、歩兵奉行、講武所御用取扱、陸軍奉行並、勤仕並寄合、軍艦奉行、海軍奉行並、陸軍奉行並など。

時代小説SHOW 投稿記事

土方歳三、小栗忠順ら、幕末の英雄が命を賭して遺したもの
『余烈』|小栗さくら|講談社小栗さくらさんの歴史時代小説集、『余烈(よれつ)』(講談社)を紹介します。若き日の北条政子を瑞々しい筆致で描いた短編「一樹の蔭」(『読んで旅する鎌倉時代』)を読んで以来、とても気になっていた著者の初の時代小説集で...
所縁の地に宿る、歴史の“敗者”たちに光を当てた幕末短編集
『碧血の碑』|赤神諒|小学館2022年、『はぐれ鴉』で第25回大藪春彦賞を受賞した、赤神諒(あかがみりょう)さんの、『碧血の碑(へっけつのいしぶみ)』(小学館)は、江戸幕末を生きた歴史上の“敗者”が輝いた瞬間を描いた短編集です。著者は202...
罪なくして斬らる―小栗上野介―
罪なくして斬らる―小栗上野介―(つみなくしてきらる・おぐりこうずけのすけ)大島昌宏(おおしままさひろ)★★★★☆☆♪単行本で入手したとき、『そろばん武士道』読了後、NHK正月時代劇「またも辞めたか亭主殿~幕末の名奉行・小栗上野介~」(200...
【新着本】鳴海風『怒濤逆巻くも(上・下)』小野友五郎を描く幕末小説
怒濤逆巻くも(上)|鳴海風|小学館 P+D BOOKS鳴海風(なるみ・ふう)さんの『怒濤逆巻くも(上)(下)』(小学館 P+D BOOKS)が私の本棚に新たに加わりました。P+D BOOKSとは本書は、P+D BOOKS(ピー・プラス・ディ...
外国局に出仕した若者の成長を通して、幕末外交史を描く
木内昇(きうちのぼり)さんの幕末時代小説、『万波を翔る(ばんぱをかける)』(日本経済新聞出版社)を入手しました。本書は、これまでの幕末時代小説では好意的に描かれることが少ない、幕臣たちの外交の歴史をテーマにした長編小説です。開国から四年、幕...

時代小説リスト

:おすすめ、:気になる

『碧血の碑』 赤神諒 『碧血の碑』 (小学館、2024年10月刊) 短編
『余烈』 小栗さくら 『余烈』 (講談社、2022年4月刊) 短編
『小説 小栗上野介 日本の近代化を仕掛けた男』 童門冬二 『小説 小栗上野介 日本の近代化を仕掛けた男』 (集英社・集英社文庫、2006年8月刊) 長編
『覚悟の人 小栗上野介忠順伝』 佐藤雅美 『覚悟の人 小栗上野介忠順伝』 (KADOKAWA・角川文庫、2009年12月刊) 長編
『罪なくして斬らる —小栗上野介—』 大島昌宏 『罪なくして斬らる —小栗上野介—』 (ボイジャー・プレス、2024年5月刊) 長編
『日本大変 小栗上野介と三野村利左衛門』 高橋義夫 『日本大変 小栗上野介と三野村利左衛門』 (集英社・集英社文庫、1999年12月刊) 長編
『万波を翔る』 木内昇 『万波を翔る』 (集英社・集英社文庫、2022年8月刊) 長編
『怒濤逆巻くも(上)』 鳴海風 『怒濤逆巻くも(上)』 (小学館・P+D BOOKS、2024年11月刊) 長編
『小栗上野介の秘宝』 典厩五郎 『小栗上野介の秘宝』 (KADOKAWA(富士見書房)、1995年12月刊) 長編

検索 “小栗”を「時代小説SHOW」で検索

時代小説で読む歴史人物ガイドへ戻る