市井人情

はぐれ牡丹(1)

最近、書店めぐりがあまりできなくなり、時代小説の新刊(文庫中心だが)を物色するのに、ネットと新聞広告に頼っている。ネットでは、太洋社という出版物卸売会社(取次と呼ばれる本の問屋)のサイトの文庫発売予定一覧を参考にすることが多い。著者名順、出...
江戸学

「密命」読本(3)

『「密命」読本 (祥伝社文庫)』を読んでいる。佐伯泰英さんの人気シリーズ「密命」のファンブックであるが、「密命」だけにとどまらず、時代小説全般を楽しむためのコラムが充実していて、江戸を楽しむ上でもおすすめの本だ。「密命」シリーズの舞台となっ...
江戸学

江戸商売図絵(1)

朝日の夕刊を読んでいたら、江戸風俗画家の三谷一馬さんの訃報が掲載されていた。15日に肺炎で亡くなられたそうだ。享年93歳。『江戸商売図絵 (中公文庫)』『江戸職人図聚 (中公文庫)』『彩色江戸物売図絵 (中公文庫)』など、さまざまなテーマで...
古地図

嘉永・慶応 江戸切絵図〈1〉―江戸・東京今昔切絵図散歩 尾張屋清七板(1)

ひと頃、『嘉永・慶応 江戸切絵図〈1〉―江戸・東京今昔切絵図散歩 尾張屋清七板 (古地図ライブラリー)』(人文社)をそばに置きながら、時代小説を読んでいた。幕末近くに刊行された尾張屋版全30図を見事に復刻したもので、彩色が施され見やすい。同...
市井人情

神田堀八つ下がり―河岸の夕映え(3)

『神田堀八つ下がり―河岸の夕映え (徳間文庫)』に収録された「浮かれ節――竈河岸」は、ハートウオーミングなお話だ。主人公の三土路保胤(みどろやすたね)は、幕府の小普請組に所属する御家人で大の端唄好き。非役で三千石以上の旗本を寄合(よりあい)...