伝奇

身長120cm台の将軍綱吉

えとう乱星さんの『ほうけ奉行―若宮隼人殺生方控 (ベスト時代文庫)』を読了。10年近く文庫化を待ち続けた甲斐があった、第1作の『かぶき奉行―織部多聞殺生方控 (ベスト時代文庫)』に匹敵する傑作伝奇小説だ。徳川五代将軍綱吉の生類憐みの令の時代...
武家

肩衝と古九谷

火坂雅志さんの『骨董屋征次郎手控 (講談社文庫)』を読了。幕末の京都、新選組、薩摩藩、加賀百万石、長崎、隠密…と惜しみなく時代小説の面白くなる要素を盛り込んでいる。それらをネタを味付け程度に、骨董という魔道にはまった男たちを描く非常に贅沢な...
伝奇

ほうけ奉行―若宮隼人殺生方控(1)

えとう乱星さんの『ほうけ奉行―若宮隼人殺生方控 (ベスト時代文庫)』を入手する。大好評の『かぶき奉行―織部多聞殺生方控 (ベスト時代文庫)』に続く、殺生方「奉行」シリーズの第2弾である。殺生方とは、将軍家の狩猟全般を取り仕切るお役目で、斬り...
捕物

公事宿事件書留帳 悪い棺

澤田ふじ子さんの『悪い棺―公事宿事件書留帳〈9〉 幻冬舎文庫』を読了した。京の大宮姉小路通りの公事宿鯉屋に居候する田村菊太郎が活躍する、「公事宿事件書留帳」シリーズの第九弾。米屋の主の葬列に石を投げた少年を描いた表題作ほか5編を収録している...
市井人情

深川澪通り木戸番小屋(1)

江戸市井ものの傑作『深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫)』の舞台となる、深川の澪通り(みおどおり)がどこだったか調べたくなり、十年ぶりに読み返してみた。作品は、こんな書き出しで始まる。 夜になると、川音が高くなる。深川中島町は三方を川でかこ...