市井人情

岡っ引の仕事、引合(ひきあい)

佐藤雅美さんの『命みょうが 半次捕物控 (講談社文庫)』を読んだ。岡っ引の生活実態に迫り、リアリティがあって面白い。解説で文芸評論家の末國善己さんが指摘してあるように、主人公の半次は人情派のヒーローでない、きれいごとばかりを言っていない岡っ...
武家

三人の上野介の悲劇

岳宏一郎さんの『御家の狗 (講談社文庫)』は、徳川家康の政権を支えた四人の重臣(大久保長安、大久保忠隣、本多正信、本多正純)の果たした役割について描いた短編時代小説集。その中でとくに興味深いのは、本多佐渡守正信の長男・本多正純の存在である。...
作家

佐藤雅美(さとうまさよし)さんのこと

佐藤雅美(さとうまさよし)さんの『命みょうが 半次捕物控 (講談社文庫)』を入手した。佐藤さんは、『大君の通貨―幕末「円ドル」戦争 (文春文庫)』『田沼意次―主殿の税 (人物文庫)』などの江戸時代の経済をテーマにした歴史経済小説で活躍され、...
武家

旗本と御家人の違い

旗本のことを調べたくて、小川恭一さんの『江戸の旗本事典 (講談社文庫)』を読み始めた。著者の小川さんは、時代考証家の三田村鳶魚(みたむらえんぎょ)さんの最後のお弟子さんである。時代小説を読んでいると、旗本と御家人の違いや、番方(武官)と役方...
お悔やみ

さようなら、杉浦日向子さん

江戸風俗をテーマにしたエッセーやマンガで活躍した杉浦日向子さんが、下咽頭がんのため、7月22日に死去した。享年46歳。時代考証家の稲垣史生さんに弟子入りされたこともあり、吉原の遊女や町人、武士など江戸の人々を、粋にまた少し軽妙に描くマンガは...