お悔やみ

さようなら、杉浦日向子さん

江戸風俗をテーマにしたエッセーやマンガで活躍した杉浦日向子さんが、下咽頭がんのため、7月22日に死去した。享年46歳。時代考証家の稲垣史生さんに弟子入りされたこともあり、吉原の遊女や町人、武士など江戸の人々を、粋にまた少し軽妙に描くマンガは...
歴史読み物

江戸の白粉と鉛中毒

『徳川将軍家十五代のカルテ (新潮新書)』を読了。本書は、十五人の将軍の死因を中心に綴られたユニークな徳川将軍史でもあります。著者の篠田達明さんは、整形外科医にして作家、現在は愛知県心身障害者コロニー・こばと学園園長を務められています。将軍...
武家

大久保党と本多父子

岳宏一郎さんの『御家の狗 (講談社文庫)』を入手する。家康政権を支えた、金山奉行の大久保長安(おおくぼながやす)と、側近であり、懐刀ともいうべき本多正信、正純父子を主人公とする3つの作品を収めた短篇集。岳さんというと、『群雲、関ヶ原へ〈上〉...
お知らせ

1冊まるごと時代小説

朝刊に『小説現代』8月号の広告が載っていた。時代小説の大特集で、浅田次郎さん、宇江佐真理さん、佐藤雅美さん、北原亞以子さん、山本一力さんら、人気の時代小説作家の作品から、岩井三四二さん、山本兼一さん、犬飼六岐さんら新進気鋭の時代小説も押さえ...
幕末維新

痔と糖尿病―江戸の場合

吉村昭さんの『桜田門外ノ変〈上〉 (新潮文庫)(下)』を読んでいたら、登場人物が痔や蜜尿病(糖尿病)に悩まされるシーンが出てきて、リアリティを感じた。時代小説を多数読んできたが、痔が描かれた作品というのは今まで記憶になかった。糖尿病のほうは...