市井人情

十干って難しくて苦手

宇江佐真理さんの最新文庫『涙堂 琴女癸酉日記 (講談社文庫)』を入手する。タイトルに書かれた「癸酉(きゆう)」は十干と十二支を組み合わせて表記する干支で、「みずのと・とり」のこと。とはいえ、何番目を指すのかよくわからない。古代の中国の思想で...
中国

富貴花と累卵の戯

森福都さんの『長安牡丹花異聞 (文春文庫)』を読み終える。唐の都・長安に住む、利発な少年黄良は病の母のために、夜に輝く牡丹を発明する。唐代、花といえば富貴花、すなわち牡丹のことを指し、一株の牡丹に数万銭を費やすものもいた。混血の偉丈夫崔融と...
捕物

揚羽の蝶と朝鮮朝顔

帰省先で、佐藤雅美さんの『揚羽の蝶 半次捕物控(上) (講談社文庫)』『揚羽の蝶 半次捕物控(下) (講談社文庫)』を一気に読了する。第1作の『影帳 半次捕物控 (講談社文庫)』と第3作の『命みょうが 半次捕物控 (講談社文庫)』を読んでい...
市井人情

久々の帰省に持っていく本

久々に、祖先の墓参りを兼ねて1泊2日で生家に帰省することになった。もともと田舎や地元での人付き合いが苦手であまり帰省しないほうであったが、今回も2年ぶりである。親不孝を重ねているが、両親が老齢ということもあり、少しゆっくりと話をしてみよう。...
剣豪

刺客は小説の中だけで

佐伯泰英さんの「酔いどれ小籐次留書」シリーズの最新刊『一首千両 (幻冬舎文庫―酔いどれ小籐次留書)』を入手する。多くの人気時代小説シリーズをもつ、佐伯さんの中で、もっともオリジナリティのある主人公が登場し、第一作での鮮烈でスケールの大きな活...