市井人情 石榴と鬼子母神と姑獲鳥 諸田玲子さんの『お鳥見女房 (新潮文庫)』に、幼い男の子が三十過ぎの女に連れ去られる事件を描いた「石榴の絵馬」という話が収録されている。その女は鬼子母神(きしもじん)に石榴(ざくろ)の絵馬を奉納している。 「石榴は人肉の味がすると言います。... 市井人情武家江戸
市井人情 七人の居候 諸田玲子さんの人気シリーズの第1弾『お鳥見女房 (新潮文庫)』が文庫化された。以前から楽しみにしていたこともあり、一気に読破する。帯に「こころがじんわり熱くなる」と書かれていたとおり、読後感が爽やかで人に対してやさしくしてあげたい気になる。... 市井人情武家江戸
武家 個性的な家康の側近たち 『御家の狗 (講談社文庫)』を読了。戦国時代末期から江戸初期を駆け抜けた徳川の漢(おとこ)たちの存在感あふれる骨太の生き様を描いた中短篇集で、一話一話が読みごたえがあった。ここで描かれている大久保長安、大久保忠隣、本多正信、本多正純は、単な... 武家江戸
伝奇 参勤交代をする旗本とは 佐伯泰英さんの時代小説が遂にメジャー系の講談社文庫から刊行された。『変化 交代寄合伊那衆異聞 (講談社文庫)』には、「交代寄合伊那衆異聞」とサブタイトルが付く文庫書下ろしのシリーズだ。 「交代寄合」とは時代小説であまり描かれたことがなく、耳... 2020.05.04 伝奇剣豪幕末維新武家
市井人情 岡っ引の仕事、引合(ひきあい) 佐藤雅美さんの『命みょうが 半次捕物控 (講談社文庫)』を読んだ。岡っ引の生活実態に迫り、リアリティがあって面白い。解説で文芸評論家の末國善己さんが指摘してあるように、主人公の半次は人情派のヒーローでない、きれいごとばかりを言っていない岡っ... 市井人情捕物江戸