武家

台風で思い出す時代小説は?

台風11号が関東地方に近づいてきた。雨が強くなってきたが、何となくわくわくさせるものがある。時代小説で、台風は野分(のわき)と呼ばれていたが、嵐のシーンが印象に残る作品は意外に少ない。そんな中で海洋小説と呼ばれる、海を舞台に活躍した物語では...
人物

北海の海商・高田屋嘉兵衛

帰宅したら、NHK総合テレビで「その時歴史が動いた」を放送していた。江戸時代後期、箱館を中心に活躍した海の商人、高田屋嘉兵衛を取り上げていたので、興味深く最後まで見た。高田屋嘉兵衛を主人公にした時代小説というと、司馬遼太郎さんの『新装版 菜...
伝奇

勘定奉行と紀伊国屋文左衛門

『破斬―勘定吟味役異聞 (光文社時代小説文庫)』は文句なしに面白かった。サブタイトルの勘定吟味役とは、天和二年(1682)、幕府の緊迫した財政に頭を痛めた五代将軍綱吉が創設したもので、勘定奉行所における目付のようなもの。出納を監査し、恣意あ...
市井人情

江戸の料理茶屋ときたな細工

宇江佐真理さんの『涙堂 琴女癸酉日記 (講談社文庫)』を読んでいたら、料理茶屋について、主人公の高岡琴が日記に綴っている箇所があり、興味深かった。『賀太郎、王子へ出かける。王子稲荷前の海老屋は近ごろ評判の料理茶屋なり。王子には他に扇屋あり。...
人物

井原西鶴と松本清張賞

山本音也さんの『ひとは化けもんわれも化けもん (文春文庫)』を購入。第9回松本清張賞受賞作ということで、気になっていた一冊。しかも江戸時代を代表する作家・井原西鶴が主人公で、『好色一代男』のみ自作という設定。それでは『日本永代蔵』や『世間胸...