江戸

闇の請負人“裏人”が悪を斬る

花家圭太郎さんの『無用庵日乗 上野不忍無縁坂』を読了。池波正太郎さんの「藤枝梅安」シリーズを想起させる、裏社会の仕掛け人(本作品では裏人)の元締・治兵衛が主人公。池波作品では、「ツル」とか「仕掛け」とか「おつとめ」とか独自の言葉が使われ、雰...
伝奇

柳生十兵衛と伝奇時代小説

『十兵衛両断』が新潮文庫から刊行された。待ちに待った荒山徹作品の文庫化。荒山さんといえば、『高麗秘帖』『魔風海峡』など、豊臣秀吉の朝鮮出兵をテーマにした伝奇時代小説が掟破りの面白さだったことからもっとも注目している作家の一人だ。歴史を朝鮮側...
市井人情

勘当息子と死一倍

『狐釣り』を読了。『おすず』『水雷屯(すいらいちゅう)』に続く杉本章子さんの「信太郎人情始末帖」の第三弾で、人情話と捕物帳の二つの要素が堪能でき、お気に入りのシリーズの一つだ。連作形式で、一話一話がオリジナリティがあってワクワクしながら読み...
市井人情

江戸東京博物館と都民の日

両国の江戸東京博物館を訪れた。入場券を買おうとチケット売り場に行ったら、「都民の日」で無料で入場できて得した気分。館内はいつもの倍ぐらいの人出で少し込んでいたが、閲覧には支障はなかった。実物大の芝居小屋・中村座や棟割長屋、日本橋など見どころ...
古地図

切絵図から江戸が見えるか

『江戸切絵図散歩』を読み終えた。関東大震災や東京大空襲による破壊と、東京オリンピックや高度経済成長、地上げとバブル経済などによる開発、再開発という美名のもとでの都市の変貌。池波正太郎さんが愛された江戸・東京は、田畑や雑木林は宅地に変わり、堀...