武家 山本一力さんと土佐藩 『いっぽん桜』に収録されている「萩ゆれて」は、天明七年(1787)の土佐藩を舞台にした短篇。作者の山本一力さんは、高知県出身ということで、土佐藩は生まれ故郷に題材を取った作品といえる。登場人物たちが鰹のたたきを食べるシーンが何ともうまそうだ... 武家江戸
市井人情 リストラ男と『いっぽん桜』 通勤の電車の中で、山本一力さんの『いっぽん桜』を読み始めた。山本さんというと、深川を舞台にした人情時代小説の名手として知られるが、表題作の舞台も深川である。主人公の長兵衛は門前仲町の口入屋(奉公人の斡旋業)井筒屋の番頭で、五十四の歳まで四十... 市井人情江戸
市井人情 進化・深化・親化する「慶次郎縁側日記」 北原亞以子さんの『隅田川』を読んだ。「慶次郎縁側日記」シリーズの第6弾にあたる本書。先に読んだ家族の評では「面白くなくなった」と聞き、「あれ? そんな筈は……」と思い、読み始めた。本書で描かれるのは、筆屋で万引きを繰り返す少年たち、商人の財... 2020.05.18 市井人情捕物江戸
室町 斎藤道三は2人いた? 『ふたり道三』を入手した。暗殺と謀略を繰り返して美濃一国を盗み取った斎藤道三は、梟雄と呼ばれることが多い。司馬遼太郎さんの『国盗り物語』の主人公としても知られている。織田信長の舅としても知られる。『剣豪将軍義輝』以来、読み味のよい時代小説の... 2020.01.04 室町戦国
幕末維新 幕末の佐賀藩と葉隠 『アームストロング砲』は、英国のアームストロング社が開発したアームストロング砲を輸入し、その2年後に日本で初めて製造した佐賀藩のプロジェクトXを描いた短篇。長州藩や薩摩藩が尊皇攘夷や倒幕で燃え上がっている中で、中立を守り、ひたすら西洋風の富... 幕末維新