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市井人情

元禄バブルと紀伊国屋文左衛門

山本一力さんの『深川黄表紙掛取り帖』を読み終えた。江戸のバブル期といわれる元禄時代を舞台にした痛快時代小説である。定斎売りの蔵秀(ぞうしゅう)、女絵師の雅乃、絵草紙本作者を目指す辰次郎、飾り行灯師の宗佑の四人の若者が活躍する連作形式で読みや...
市井人情

水の町、深川を堪能

山本一力さんの『深川黄表紙掛取り帖』を読み始める。金に絡んだ江戸の厄介ごとを、知恵で解決する裏稼業に励む四人の若者の活躍を描く連作形式の時代小説。タイトルに「深川」の文字が入っているように、元禄期の江戸・深川が舞台になっている。 深川といえ...
幕末維新

ハードボイルドな土方歳三

二十代前半の頃に、ハードボイルドミステリと冒険小説にはまったことがあった。ダシェル・ハメット、レイモンド・チャンドラー、ミッキー・スピレーン、ジャック・ヒギンズ、ギャビン・ライアル、船戸与一、志水辰夫……。不思議と北方謙三さんのハードボイル...
市井人情

市井時代小説に経済小説の面白さ

山本一力さんの『深川黄表紙掛取り帖』を入手する。『損料屋喜八郎始末控え』を読んで以来、ずっと楽しませてもらいご贔屓にしている山本さんの連作時代小説。 時代は元禄七年、五代将軍綱吉の治世。生類憐みの令のもとで、どのような物語が展開するか、とて...
幕末維新

西郷隆盛の顔の謎

北方謙三さんの『黒龍の柩』を読んでいる。土方歳三を主人公とした時代小説だが、土方の歴史観が現代的で面白い。個人的には、大政奉還以後の土方の行動と箱館での最期に少し引っかかりを感じていた。新選組に男の美学を求めて散っていった近藤勇とは対照的に...