人物

江戸町奉行と鳥居耀蔵

江戸の町奉行というと、大岡越前守忠相や遠山左衛門尉景元(遠山の金さん)、根岸肥前守鎮衛(『耳嚢』の筆者)が有名。北町奉行だった遠山の金さんと同時代(天保期)に南町奉行を務めた人物に鳥居甲斐守忠耀(耀蔵)がいる。鳥居耀蔵は、天保の改革を断行し...
女性

再生と希望の時代小説

乙川優三郎さんの『冬の標(しるべ)』を読み始めた。乙川さんは、『霧の橋』で第7回時代小説大賞(平成9年)を受賞してデビューして以来、文学性の高い良質な時代小説を発表し続ける作家の一人である。デビュー当時は、マスメディアから「第二の藤沢周平」...
戦国

木曾の桟と石川貞清

『時代小説 読切御免第四巻』に、火坂雅志さんの「命、一千枚」が収録されていた。この短篇小説は、天正十八年に信州木曾谷が豊臣家の直轄地になったところから始まる。木曾の美林に目をつけた秀吉が、領主の木曾義昌を下総国網戸に移し、代わりに自らの息の...
武家

藤沢周平作品と犬

新潮文庫から出ている『時代小説―読切御免〈第4巻〉』を読み始めた。今を代表する人気時代小説作家の短篇7編を収録したアンソロジーだ。1巻~3巻同様にラインナップが豪華で気に入っている。今回も藤沢周平さん、北方謙三さん、鈴木輝一郎さん、火坂雅志...
剣豪

『真剣』はあとがき、解説まで会心作

『真剣 新陰流を創った男、上泉伊勢守信綱』を読了する。ほとんどが通勤時間を利用しての読書だったために、少しずつ咀嚼するようにゆっくりと時間をかけて読んだ。そのせいもあり、毎日ワクワクしながら物語の展開を楽しめた。新陰流の流祖で剣聖と呼ばれる...