幕末維新

明治の改暦と西洋定時法

浅田次郎さんの『五郎治御始末』に収録された短篇「西を向く侍」と「遠い砲音」は、明治五年から明治六年にかけて行われた旧暦(太陰太陽暦)から西洋暦(グレゴリオ暦)への改暦と、西洋定時法採用をテーマにした作品である。知識としては、明治初年に旧暦か...
歴史読み物

時代小説ブログの検索ベスト10

はてなダイアリーのブログには、アクセスレポートの機能がついている。デイリー、マンスリーでアクセス数やリンク元などがわかる。もちろん、個人を特定できるような情報は得ることができない。レポートを見ていて面白いのが「検索語」。Yahoo!やGoo...
捕物

悪ガキと夫婦の溝

千野隆司(ちのたかし)さんはお気に入りの時代小説作家の一人。『札差市三郎の女房』や『江戸仇討模様 永代橋、陽炎立つ』『逃亡者』など、サスペンスに満ちた物語や、江戸の市井をしっかりと描いた作品でバツグンの腕の冴えを見せる。「南町同心早瀬惣十郎...
幕末維新

維新前後と浅田次郎作品

浅田次郎さんの『五郎治殿御始末』を通勤電車の中で読み始めた。浅田さんの作品を読むのは、『壬生義士伝』以来だが、文章を読んでいるうちに、その世界にどっぷり浸れていい。この短篇集には、明治維新という激動期に、自らの誇りにかけて、武士の時代に幕を...
女性

南画と時代小説

乙川優三郎さんの『冬の標(しるべ)』の主人公明世は、東国の八万石のある藩で、大番頭を務める末高家の長女として生まれる。幼い頃から絵を描くことが好きで、十四歳のときに藩内で南画(なんが)を教える青年絵師岡村葦秋のもとに入門する。南画は自由な心...