人物

恋川春町と桜田門外の変

『其の一日』を読み終える。「立つ鳥」をはじめとする四編とも佳品ぞろい。「蛙(かわず)」は、四千石の旗本藤枝外記教行(ふじえだげきのりなり)と妻弥津、先代当主の妻で教行の義母本光院の三者の関係がスリリングで、時代小説にラブロマンスの要素を持ち...
幕末維新

運命を変えた一日を描く傑作

諸田玲子さんの『其の一日』を読み始める。第二十四回吉川英治文学新人賞(平成十五年度)受賞作品である。同賞の受賞者で時代小説系の作家には、宇江佐真理さん(第二十一回『深川恋物語』)、東郷隆さん(第十五回『大砲松』)、宮部みゆきさん(第十三回『...
捕物

道中ものと女難剣難

平岩弓枝さんの『はやぶさ新八御用旅 二 中仙道六十九次』を読み終えた。主人公の南町奉行所内与力の隼新八郎は、絵に描いたような美丈夫(好い男)のせいか、とにかくもてる。本編の「御用帳」シリーズでは、妻の郁江、お奉行付きの女中お鯉、湯島の踊りの...
時代小説

おせちのような時代小説集

寒いッ!! 本当に寒い日が続きますね。雪国生まれで寒さには強いはずなのですが、やっぱりこの寒さは想定外。福井県では高齢者を狙った悪質な雪かき業者が横行しているそうな。気をつけてください。新潮文庫から出たアンソロジー集『時代小説 読切御免 三...
市井人情

仕事始めと「はやぶさ新八」

今日は仕事始め。1週間ぶりに出勤する。電車はまだ空いている感じがする。そのせいか、車内で本がゆっくり読めた。今、読んでいるのが、平岩弓枝さんの『はやぶさ新八御用旅 二 中仙道六十九次』。この時期、平岩さんの本が読みたくなる。明るく華やいだ雰...