市井人情

深川のシンボル、小名木川は女泣川

小名木川(おなぎがわ)は、隅田川と荒川の支流・旧中川を結ぶ河川である。全長約4900メートル、川幅は約26~50メートルで、江東区の真ん中を東西に一直線に貫いている。人工の運河で、天正十八年(1590)に、江戸に入府した徳川家康が、行徳の塩...
剣豪

時代小説と中一弥さんの挿絵

「小説新潮」とか「小説現代」のような文芸誌(というか小説雑誌)を読む機会は多くないが、時代小説を特集していたりして、たまに目を通すと楽しいのが挿絵だ。とくに、蓬田やすひろさんや柴田ゆうさん、百鬼丸さんとかお気に入りの画家の絵が載っていると、...
戦国

秀吉政権下の江戸

安部龍太郎さんの『生きて候』を通勤中に読み始めた。安部さんというと、『信長燃ゆ』や『関ヶ原連判状』といった信長時代から江戸時代初期にかけての戦国時代をを描いた数々の傑作で知られる、時代小説作家。最新の歴史研究をベースに、現代的で奔放な発想と...
捕物

泣ける捕物帳、岡っ引きたちの光と影

小杉健治さんの『二十六夜待』を読了。単行本刊行時のタイトルが『七人の岡っ引き』と付けられたことからわかるように、岡っ引きたちの生態にスポットを当てた短篇捕物小説集である。一話に一人ずつ岡っ引きが登場するので、七話で七人七種の岡っ引き像を見る...
捕物

意外に明るい? 江戸の月

時代小説を読んでいると、「月夜だから提灯はいらない」とか、「月のない真っ暗な夜だった」とか、月の明るさに触れた描写に出くわすことがある。また月に関しては、十五夜ばかりでなく、「十六夜(いざよいと読む。十五夜の次の夜のこと)」や「立待月(たち...