剣豪

時代小説と中一弥さんの挿絵

「小説新潮」とか「小説現代」のような文芸誌(というか小説雑誌)を読む機会は多くないが、時代小説を特集していたりして、たまに目を通すと楽しいのが挿絵だ。とくに、蓬田やすひろさんや柴田ゆうさん、百鬼丸さんとかお気に入りの画家の絵が載っていると、...
戦国

秀吉政権下の江戸

安部龍太郎さんの『生きて候』を通勤中に読み始めた。安部さんというと、『信長燃ゆ』や『関ヶ原連判状』といった信長時代から江戸時代初期にかけての戦国時代をを描いた数々の傑作で知られる、時代小説作家。最新の歴史研究をベースに、現代的で奔放な発想と...
捕物

泣ける捕物帳、岡っ引きたちの光と影

小杉健治さんの『二十六夜待』を読了。単行本刊行時のタイトルが『七人の岡っ引き』と付けられたことからわかるように、岡っ引きたちの生態にスポットを当てた短篇捕物小説集である。一話に一人ずつ岡っ引きが登場するので、七話で七人七種の岡っ引き像を見る...
捕物

意外に明るい? 江戸の月

時代小説を読んでいると、「月夜だから提灯はいらない」とか、「月のない真っ暗な夜だった」とか、月の明るさに触れた描写に出くわすことがある。また月に関しては、十五夜ばかりでなく、「十六夜(いざよいと読む。十五夜の次の夜のこと)」や「立待月(たち...
捕物

江戸の捜査が堪能できる捕物小説

千野隆司さんの『鬼心 南町同心早瀬惣十郎捕物控』を読み終えた。前2作『夕暮れの女』『伽羅千尋』はアリバイ崩しや真犯人探しが魅力だったが、今回は最初から犯人は明かされていた。深川で雪駄小間物傘問屋を営む市之助は、借金の返済のため、雪駄の行商を...