作家

杉本苑子さんの時代小説

時代小説を集中的に読み始めて10数年が経つが、その作品をほとんど読んでいない時代小説家が何人かいる。主義主張があって読書リストから外しているわけではなく、ボタンを掛け違えたように、なぜか読むきっかけがつかめないという事情だ。杉本苑子さんはそ...
伝奇

裏柳生が登場する時代小説

今日も、高妻秀樹さんの『胡蝶の剣』を読んでいる。主人公のタイ捨流の剣豪・森本一房の前に、柳生宗矩の命を受けた柳生五郎右衛門宗俊(石舟斎の四男の柳生五郎右衛門宗章ではない)が率いる裏柳生が立ちはだかる。時は、慶長十五年三月、豊臣秀頼が伏見にて...
伝奇

歴史群像大賞と時代小説の賞

高妻秀樹さんの『胡蝶の剣』を読んでいる。この作品を入手したのは、主人公がタイ捨流の剣豪という設定が楽しみだったこともあるが、「第11回歴史群像大賞受賞」という帯のコピーが気になったことが大きい。プロフィールによると、作者の高妻さんは、195...
伝奇

タイ捨流の剣豪ヒーロー登場

高妻秀樹さんの『胡蝶の剣』を読み始めた。主人公の森本右近太夫一房(もりもとうこんのたいふかずふさ)は、時代小説のヒーローでは珍しいタイ捨流(作中では体捨流の表記)の剣豪。タイ捨流の流祖の丸目蔵人佐(まるめくらんどのすけ)藤原長惠(ふじわらな...
戦国

戦国武士のエリート、母衣衆

司馬遼太郎さんの『功名が辻』を読んでいる。長浜城主となり、京都にも屋敷を構える山内家の門前に捨て子があり、千代と一豊が育てることになるシーンが描かれていた。 ある朝、山内家の京都屋敷で小さな変事があった。 門番が朝、門前を清めるために出てみ...