作家杉本苑子さんと江戸の水 杉本苑子さんの短篇時代小説集『冬の蝉』を読み終える。丁寧な時代考証をベースに、高い物語性で、江戸という時代と場所が堪能できる素敵な作品集である。 「菜摘ます児」 葛西の場所外れにある、お花の茶屋に、突然、鷹狩りの帰途の将軍家治がやってきた。... 2020.05.08作家市井人情武家江戸
市井人情江戸四宿の一つ、内藤新宿 内藤新宿は、甲州道中の起点として知られているが、江戸の初めから宿場町であったわけではない。元禄十一年(1698)に、それまで甲州道中の第一宿は高井戸宿だったが、日本橋からの距離が四里と道のりが長くて何かと不便だった。 浅草阿部川町の名主・喜...市井人情武家江戸
作家杉本苑子さんの時代小説 時代小説を集中的に読み始めて10数年が経つが、その作品をほとんど読んでいない時代小説家が何人かいる。主義主張があって読書リストから外しているわけではなく、ボタンを掛け違えたように、なぜか読むきっかけがつかめないという事情だ。杉本苑子さんはそ... 2023.02.10作家市井人情武家江戸
伝奇裏柳生が登場する時代小説 今日も、高妻秀樹さんの『胡蝶の剣』を読んでいる。 主人公のタイ捨流の剣豪・森本一房の前に、柳生宗矩の命を受けた柳生五郎右衛門宗俊(石舟斎の四男の柳生五郎右衛門宗章ではない)が率いる裏柳生が立ちはだかる。時は、慶長十五年三月、豊臣秀頼が伏見に... 2020.05.09伝奇剣豪江戸
伝奇歴史群像大賞と時代小説の賞 高妻秀樹さんの『胡蝶の剣』を読んでいる。この作品を入手したのは、主人公がタイ捨流の剣豪という設定が楽しみだったこともあるが、「第11回歴史群像大賞受賞」という帯のコピーが気になったことが大きい。 プロフィールによると、作者の高妻さんは、19... 2020.01.14伝奇剣豪文学賞江戸