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市井人情

宇江佐真理さんと江戸情緒

『あやめ横丁の人々』を読み始める。宇江佐真理さんらしい、江戸情緒たっぷりの歯切れのいい語り口が楽しい。 婿入りの祝言の席上で、昔の映画『卒業』(ダスティン・ホフマンが出ていたやつ)のように、妻を恋人に奪われた大身旗本の三男坊、紀藤慎之介。逆...
作家

司馬遼太郎作品を敬遠していた理由

昨日、時代小説について語る機会があり、司馬遼太郎さんの作品を敬遠していた理由について尋ねられた。(現在は司馬さんを評価し、その作品をちゃんと楽しんでいる) サイトを始めた1996年頃までに、司馬さんが描く歴史上の英傑の行動哲学がビジネスマン...
古地図

桜花の候、江戸本所深川散策の巻

桜が満開の中、久々に本所深川散策に出る。『ランチェスター戦略「弱者逆転」の法則』の著者で菊川にオフィスを構える福永雅文さんと、『江戸切絵図にひろがる鬼平犯科帳、雲霧仁左衛門』『江戸時代小説はやわかり』の編集者のFさんとご一緒に、三人で鬼平お...
市井人情

紀州犬と狆と唐犬

阿部牧郎さんの『艶女犬草紙』はタイトルや表紙の画でわかるように、犬を飼う若い女がヒロイン役で登場する。町之介は、紀州犬のキヨヒメとその子どもたち四匹を飼う下宿(したやど)森田屋の女将リサに一目ぼれする。そして、リサに気に入られようという下心...
市井人情

江戸時代の大坂を描く小説

阿部牧郎さんの『艶女犬草紙(あでおんないぬぞうし)』を読み始めた。『後家長屋』『出合茶屋』に続く、「町之介慕情」シリーズの第3弾である。文政年間の大坂を舞台に、武士を捨て貸本屋泰平堂を営む町之介を主人公にした市井小説である。前2作が連作形式...