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幕末維新

井伊直弼と近江商人

幸田真音さんの『あきんど 絹屋半兵衛』(上・下)を読了した。読み始める前、単行本刊行時のタイトル『藍色のベンチャー』のままのほうがいいのではないかと思っていたが、最後まで読んでみると、改題した訳が納得いった。 幸田さんは、『小説ヘッジファン...
お知らせ

歴史時代書房時代屋に行ってきた

久しぶりに神田神保町界隈に行ってきた。お目当ては、2月にオープンして以来、その存在が気になっていた歴史時代書房「時代屋」である。場所は靖国通り沿いで小川町交差点からすぐのところ。ビルの1階と2階が店舗だった。 ちょうどGW期間中ということで...
伝奇

六十対三の決闘。京が舞台の捕物小説

澤田ふじ子さんの『真葛ヶ原の決闘』を読み終えた。京の人々の安寧を守る祇園社の神灯目付役が活躍する連作捕物小説集で、「僧兵の塚」「真葛ヶ原の決闘」「梟の夜」「鳥辺山鴉心中」の四編を収録。 表題作「真葛ヶ原の決闘」は、弱者に絶えず温かい支援を送...
伝奇

僧兵の末裔? 神灯目付役

澤田ふじ子さんの『真葛ヶ原の決闘』を読み始めた。「祇園社神灯事件簿」シリーズの第三弾である。 主人公の植松頼助(うえまつよりすけ)は、祇園社の警固を務める神灯目付役の一人である。祇園社境内だけではなく、四条をはじめ市中の各所に点在する御旅所...
室町

地味ながら圧倒的な迫力の農民時代小説

岩井三四二さんの『月ノ浦惣庄公事置書』を読み終えた。歴史的なヒーローは誰も登場しない、時代も室町中頃でなじみが薄く、土倉とか問丸、土一揆と聞いてもピンとこない。舞台は近江の琵琶湖北端の村で、農地をめぐる隣村との争いを描いた、おそろしく地味な...