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市井人情

ピカレスクでなく、爽快な股旅小説

『草笛の音次郎』を読み終えた。江戸市井小説を得意とする山本一力さんが股旅を書くというので意外な感じがして、読む前はどんな展開になるのか、山本さんの読み味のよさがそこにもあるのか半信半疑だった。 しかし、読み始めると、物語の世界に引き込まれ、...
剣豪

今年文庫で読んだ一番面白い剣豪小説

北方謙三さんの『鬼哭の剣』を読み終えた。剣豪小説の中で折り紙付きの面白さをもつ「日向景一郎シリーズ」の中でも、今回の作品は最高傑作ではないだろうか。 日向森之助は、江戸湯島の薬種問屋杉屋清六の使いで薬剤師菱田多三郎が滞在する糸魚川を単身訪れ...
幕末維新

ハナミズキ、咲く

いつも通勤で通る歩道に、ハナミズキとサルスベリが街路樹として植えられている。桜が散って寂しくなったなあと思っていたら、ハナミズキの白い花が咲き出した。路傍のクルメツツジも一緒に咲き始めて、紅と白のコントラストが美しい。しばらくの間、通勤が楽...
剣豪

恐るべき青年剣士、日向森之助

北方謙三さんの『鬼哭の剣』を読んでいる。 今回は、日向景一郎の弟、森之助を主人公に物語が進む。薬種問屋の使いで、薬種採取をする菱田多三郎のいる越後糸魚川を訪れた森之助の青春を描いていく。十五歳になった森之助。幼いころから二十歳になったら、兄...
剣豪

北方謙三のハードボイルド剣豪小説

北方謙三さんの『鬼哭の剣』を読み始めた。『風樹の剣』『降魔の剣』『絶影の剣』に続く「日向景一郎シリーズ」の第四弾である。北方さんというと、新感覚で南北朝時代を描いたり、「三国志」や「水滸伝」などに題材をとった中国歴史小説で活躍されている。 ...