2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!
伝奇

平安時代を舞台にしたファンタジーノベル

平岩弓枝さんの『道長の冒険』を読み始めた。平安時代の実力者・藤原道長と楽士・真比呂が活躍する「平安妖異伝」の続編にあたる。道長の冒険―平安妖異伝 (新潮文庫)作者: 平岩弓枝出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/09/28メディア:...
幕末維新

幕臣にとっての明治維新とは

以前から不思議に思っていたことがある。明治維新時、新政府に恭順を示した旧幕臣たちの心情と身の処し方について、どうもよくわからなかった。明治以後、官軍に抵抗して戦った幕臣たちはごくわずか。上野の山に籠もった彰義隊は二千人程度という。旗本・御家...
市井人情

牛鍋屋を営む夫婦を描いた時代小説

平山壽三郎さんの『明治ちぎれ雲』を読み始めた。平山さんは、『東京城残影』で第九回時代小説大賞を受賞された時代小説家。その後、『明治おんな橋』を刊行され、本作品で明治三部作といったところ。明治ちぎれ雲 (講談社文庫)作者: 平山壽三郎出版社/...
剣豪

捨て子と養生所の話

乾荘次郎さんの『夜襲 鴉道場日月抄』を読んでいる。傳通院近くの「鴉道場」こと柳花館の師範代高森弦十郎の周りで起こった事件を描くシリーズの第二弾である。夜襲 (講談社文庫)作者: 乾荘次郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/08/1...
市井人情

正しく生きることを思い出させる時代小説

澤田ふじ子さんの時代小説のファンである。「時代小説SHOW」で取り上げることも多かったと思う。澤田さんの作品の魅力は、京を舞台にしたものが多く、京の町に生きる人々の哀歓がドラマティックに描かれること。京都に在住する作家らしく、京の風物や文化...