妖・ホラー

『あかんべえ』と宮部ワールド

宮部みゆきさんの『あかんべえ』を読んだ。ほっこりとした快い余韻が残る、まぎれもない宮部ワールドが炸裂している時代ファンタジーだ。何で今まで読まなかったのだろうかと思ってしまう。あかんべえ〈上〉 (新潮文庫)作者: 宮部みゆき出版社/メーカー...
市井人情

九千五百石の旗本とは

千野隆司さんの『冬花火』を読む。「本所竪川河岸瓦版」シリーズの第一作。主人公の横田筑前守真行は、九千五百石の旗本の当主で、三千石高の御鉄砲百人組の頭という設定。旗本は、将軍に御目見えができる家臣で、旗本八万騎と呼ばれるが、実数は二万三千人あ...
市井人情

深川への愛情に満ちた時代小説

山本一力さんの『欅しぐれ』を読んだ。老舗履物問屋・桔梗屋太兵衛と渡世人の猪之吉の男と男の友情、深川の市井に暮らす人々の人情を小気味よく描いた作品である。欅しぐれ (朝日文庫)作者: 山本一力出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/...
剣豪

子育て侍―酔いどれ小籐次の新展開

佐伯泰英さんの『子育て侍』を読んだ。来島水軍流の遣い手で、御鑓拝借で一躍江戸の町の名物人となった、赤目小籐次が活躍する「酔いどれ小籐次留書」シリーズの第七弾である。子育て侍―酔いどれ小籐次留書 (幻冬舎文庫)作者: 佐伯泰英出版社/メーカー...
捕物

時代小説に珍しい人質立てこもり劇

千野隆司さんの『雪しぐれ』を読んだ。南町奉行所定町廻り同心の早瀬惣十郎が活躍する捕物小説シリーズ「南町同心早瀬惣十郎捕物控」の第4弾である。このシリーズは、捕物小説好きをうならせるような趣向を毎回凝らしてくれる。雪しぐれ―南町同心早瀬惣十郎...