市井人情

冬の通勤にピッタリ、じんわりと心が温もる市井小説

今井多美子さんの『寒雀』を読む。武士を捨てて、照降町の書役を務めるようになった喜三次を主人公とする市井小説シリーズの第二弾である。寒雀―照降町自身番書役日誌 (廣済堂文庫)作者: 今井絵美子出版社/メーカー: 廣済堂出版発売日: 2007/...
伝奇

今後の展開が楽しみな「無茶の勘兵衛」シリーズ

浅黄斑さんの『冥暗の辻』を読む。「無茶の勘兵衛」シリーズの第4弾で、帯には「ビルドゥングスロマン(ドイツ語でBildugsroman。主人公の人格形成や成長をテーマとして書かれた小説のこと。日本語では教養小説と呼ばれる)の傑作」と書かれてい...
ミステリー

防衛省スキャンダルを思い出させる時代小説

松井今朝子さんの『辰巳屋疑獄』を読む。役人と商社の癒着、今ニュースを騒がせている山田洋行スキャンダルを彷彿させるような江戸時代の一大疑獄事件を描いた時代小説。辰巳屋は大坂一の炭問屋で掛屋(大名相手の金融業)も営む豪商。手代四百六十人、家財二...
捕物

江戸のアイドル、笠森お仙の捕物帳

山内美樹子さんの『善知鳥伝説闇小町』を読んだ。笠森稲荷境内の腰掛け茶屋<鍵屋>の茶汲み娘・お仙を主人公とした、人情捕物小説シリーズの第2弾。善知鳥伝説闇小町 鍵屋お仙見立絵解き (光文社文庫)作者: 山内美樹子出版社/メーカー: 光文社発売...
市井人情

弱い人にやさしい時代小説

北原亞以子さんの『やさしい男』を読んだ。元南町奉行所定町廻り同心森口慶次郎が活躍する「慶次郎縁側日記」シリーズの第七作目(『脇役 慶次郎覚書』を除く)だ。やさしい男―慶次郎縁側日記 (新潮文庫)作者: 北原亞以子出版社/メーカー: 新潮社発...