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市井人情

疲れを癒す、木戸番小屋

北原亞以子さんの『夜の明けるまで 深川澪通り木戸番小屋』を読む。「深川澪通り木戸番小屋」シリーズの4作目で、著者は本書で第39回吉川英治文学賞を受賞している。深川中島町の澪通りにある木戸番小屋に住む笑兵衛とお捨の夫婦のもとに、痛みを抱えた人...
市井人情

船宿を舞台にした傑作捕物小説

樋口有介さんの『船宿たき川捕物暦』を読む。樋口さんの他の作品は未読だが、『ぼくと、ぼくらの夏』でサントリーミステリー大賞読者賞を受賞、以後、青春ミステリーおよび純文学的な青春小説などで活躍されている作家。時代小説ファンとしては、現代ミステリ...
市井人情

臥煙と呼ばれる火消しを主人公にした時代小説

浅黄斑(あさぎまだら)さんの『衣紋坂の時雨 湯島・妻恋坂ごよみ』を読んだ。浅黄さんは最近注目している時代小説作家の一人。今回は、臥煙(がえん)と呼ばれる定火消の火事場人足が主人公。臥煙は荒くれ者が多くて、只飲み只食いは日常茶飯事で、銭さしを...
捕物

粋で凝った職人技が光る、「宝引の辰捕者帳」

泡坂妻夫さんの『鳥居の赤兵衛』を読む。北町奉行所同心・能坂要のもとで働く腕利きの岡っ引き、神田千両町の宝引の辰親分が活躍する捕物シリーズ「宝引の辰捕者帳」の第5弾である。表題作のほかに、「優曇華の銭」「黒田狐」「雪見船」「駒込の馬」「毒にも...
市井人情

「闘牛と時代小説」、『万両ノ雪』のあとがきが圧巻

佐伯泰英さんの『万両ノ雪』を読む。NHK木曜時代劇も好評の、人気シリーズ「居眠り磐音 江戸双紙」の第23弾。おこんを連れて豊後関前で、仮祝言をあげて江戸へ戻る途次の坂崎磐音。江戸では、南町奉行所年番方与力の笹塚孫一が六年前に捕縛した盗賊、万...