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捕物

憎みきれない、妖怪鳥居耀蔵の密偵太十

早瀬詠一郎さんの『早烏(さがらす) 裏十手からくり草紙』を読んだ。勉強不足で恐縮だが、早瀬さんの作品は今回、初めて読んだ。早瀬さんは、『萩大老』で200年に小説家デビューするかたわら、“岡本紋弥”の名をもつ古典浄瑠璃新内の太夫で、脚本家・放...
剣豪

山形帰りの磐音と女忍びの霧子が活躍

佐伯泰英さんの『石榴の蝿』を読んだ。NHK土曜時代劇「陽炎の辻2」も好評の、「居眠り磐音 江戸双紙」シリーズの第27弾。前作で、かつての許婚の奈緒の難儀を救うために出羽山形に行っていた磐音が江戸に戻るところから物語は始まる。 石榴ノ蠅 ─ ...
中国

古代中国を舞台にした時代小説―『孫子伝』

塚本青史(つかもとせいし。正しい表記は「塚」の字には点が付いていて、「青」の下の部分は円の字である)さんの『孫子伝』を読む。孫子とは、中国の春秋時代の末期(紀元前6世紀後半)に活躍した、兵法家の孫武の尊称。この物語は、斉(せい)出身の孫武が...
ブックガイド

新しい作家の作品に出会う楽しみ

『文蔵 2008.9』が家に届いた。特集は、没後75年 今、読み直したい「宮沢賢治」。9月21日に没後75年を迎える宮沢賢治の作品世界を紹介している。作品ガイドと人物コラム、北村薫さん、大林宣彦さんへのインタビューなどで構成されていて、この...
市井人情

『弥勒の月』江戸に生きる男女の心の闇を描く

あさのあつこさんの『弥勒の月』を読んだ。時代小説バカなので、『バッテリー』をはじめとした、あさのさんの現代小説を今まで読んでこなかった。その作風について全く知らなかったこともあり、最初から最後まで、とてもスリリングにわくわくしながら読書がで...