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市井人情

シリーズ名物男の蟋蟀小三郎の弱み

佐藤雅美(さとうまさよし)さんの『泣く子と小三郎』を読む。『影帳』『揚羽の蝶』『命みょうが』『疑惑』に続く、材木町の腕利きの岡っ引半次が活躍する「半次捕物控」シリーズの第五作目。本書は、タイトルにあるように、半次が疫病神と嫌う、蟋蟀小三郎(...
捕物

伊藤致雄さんの新捕物シリーズに注目

伊藤致雄(いとうむねお)さんの『銀のかんざし 定町廻り同心・榊荘次郎』を読んだ。「兵庫と伊織の捕物帖」シリーズで注目される、気鋭の時代小説家・伊藤さんが放つ文庫書き下ろし新シリーズである。 銀のかんざし―定町廻り同心・榊荘次郎 (時代小説文...
武家

「元禄畳奉行」が活躍する時代小説

池端洋介さんの『元禄畳奉行秘聞 幼君暗殺事件』を読んだ。主人公は、五代将軍綱吉の時代から、八代将軍吉宗の時代にかけて、日々克明な日記を書き続けた、尾張藩士の朝日文左衛門(重章)。二十六年八カ月に及んだ、その日記は、『鸚鵡籠中記』と名付けられ...
ドラマ

大河ドラマ「天地人」がさらに面白くなる講座

歴史家の安藤優一郎さんは、『幕末下級武士のリストラ戦記』『江戸城・大奥の秘密』などの江戸時代をテーマにした著作で知られている。今年は戦国時代、とくに直江兼続にスポットを当てて講演や著作をされていくそうだ。 幕末下級武士のリストラ戦記 (文春...
大正・昭和

C・Wニコルの傑作海洋小説三部作の完結編

C・Wニコルさんの『特務艦隊』を読んだ。本書は、『盟約』『遭敵海域』に続く、日本帝国海軍軍人・銛一三郎(もりいちさぶろう)を主人公とした、海洋小説三部作の完結編である。本作で描かれている時代が大正時代であり、ジャンルでいえば時代小説には含め...