シェア型書店「ほんまる」で、「時代小説SHOW」かわら版を無料配布
伝奇

稀代の忍び・風魔の小太郎の生涯を描く大傑作

宮本昌孝さんの『風魔』を読んだ。文庫は上・中・下巻の三分冊だが、読み出したら止められない、一気読みをさせてしまう面白さだった。宮本作品では、『剣豪将軍義輝』や『ふたり道三』の系譜に通じる、スケール感、エンターテインメント性が堪能できる作品で...
武家

寛政の棄捐令とモラトリアム

亀井金融担当大臣から、返済猶予制度(モラトリアム)の法制化の話が出て、それに対してさまざまな意見が出されている。中小企業やローン返済に困っている人を救済するというこの制度の話を聞いて、松平定信の寛政の改革の一環で行われた棄捐令を思い出した。...
女性

滝沢馬琴ゆかりの女たちの恋愛模様―ゆすらうめ

梓澤要(あずさわかなめ)さんの『ゆすらうめ 江戸恋愛慕情』を読んだ。梓澤さんは、1993年に「喜娘(きじょう)」で歴史文学賞を受賞して作家デビューした。寡作ながらも、奈良時代もの、戦国時代もの、江戸時代ものとさまざまな時代を取り上げている。...
市井人情

江戸時代の京をガイドする時代小説―公事宿事件書留帳

8月に京都に行ってから、断続的に澤田ふじ子さんの「公事宿事件書留帳」シリーズを読んでいる。第十三巻の『雨女』を読み終えた。このシリーズの魅力のひとつに、京の地理や町の成り立ちから、江戸時代の文化、人々の生活、風習まで、物語の中で興味深く読者...
幕末維新

剣から大砲、連発短銃へ―波濤の時代の防人

佐伯泰英さんの『海戦 交代寄合伊那衆異聞』を読む。信州伊那谷千四百十三石の旗本・交代寄合衆座光寺家の若き当主・座光寺藤之助為清が活躍するシリーズ第11弾である。相変わらず快調なペースで著作を続けられている。 海戦 交代寄合伊那衆異聞 (講談...