ミステリー

大狼との闘い、父の死と藩の不正、時代小説の面白さが凝縮

『奥州狼狩奉行始末』|東圭一|角川春樹事務所東圭一(あずまけいいち)さんの『奥州狼狩奉行始末(おうしゅうおおかみがりぶぎょうしまつ)』(角川春樹事務所)は、本年度(2023年)の第15回角川春樹小説賞の受賞作品。著者は、2012年に「足軽塾...
お悔やみ

『後宮小説』『陋巷に在り』の作家酒見賢一さん死去、59歳

1989年に、『後宮小説』で第1回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し作家デビューをした、酒見賢一(さけみけんいち)さんが2023年11月7日、呼吸不全のため死去されました。59歳でした。『後宮小説』は、今や一大ジャンルとなった後宮小説の先駆...
市井人情

芝居にすべてを捧げる、裏方と役者たちの江戸の青春群像小説

『螢と鶯 鳴神黒衣後見録』|佐倉ユミ|祥伝社文庫佐倉ユミさんの文庫書き下ろし時代小説、『螢と鶯 鳴神黒衣後見録(なるかみくろごこうけんろく)』(祥伝社文庫)は、江戸三座に追いつこうと意気込む鳴神座を舞台に、芝居にすべてを捧げる若手役者と裏方...
お気に入り

男衆に殴る蹴るされて、理不尽に入牢させられた女の願いとは

『藍染袴お匙帖 雨のあと』|藤原緋沙子|双葉文庫藤原緋沙子さんの文庫書き下ろし時代小説、『藍染袴お匙帖 雨のあと』(双葉文庫)は、藍染橋の袂で治療院を営む女医の桂千鶴が、治療のかたわら難事件に挑む、「藍染袴お匙帖」シリーズの第14巻です。文...
単行本

荷を乗せた船が消え、おちやは連れ戻され…。遠野屋に危難が

『野火、奔る』|あさのあつこ|光文社あさのあつこさんの『乱鴉の空』の文庫解説の執筆を機に、「弥勒」シリーズを第1巻から読み直し、その面白さにすっかりはまりました。最新刊の『野火、奔る(のび、はしる)』(光文社)が刊行されたので、紹介します。...