単行本★時代小説新刊情報|2024年7月の新刊(1日→末日)
2024年7月1日から7月末日の間に、単行本(新書含む)で刊行される時代小説、歴史関連書、古典日本文学の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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青波杏さんの『日月潭の朱い花』
デビュー作『楊花の歌』で第35回小説すばる新人賞受賞し、第12回歴史時代作家協会賞新人賞部門候補となった新鋭のデビュー第2作。
25歳のサチコは、不条理な派遣労働から逃れるように亜熱帯の台湾に渡り、偶然再会した在日コリアンのジュリと、台北の迪化街で暮らしていました。
誕生日の晩、サチコが古物商の革のトランクのなかに日本統治時代の台湾を生きた女学生の日記を見つけたことから、ふたりの生活は一変します。
それは、70年以上前、深山に囲まれた日月潭という湖で起こったある少女の失踪事件でした。遠い昔に姿を消した少女を探す旅は、いつしかふたりのアイデンティティを求める旅につながってゆきます。
志川節子さんの『緋あざみ舞う』
船宿を営むは世を忍ぶ仮の姿、お路とお律姉妹の正体は盗人・緋薊。幼い頃に失明した妹お夕を守り、亡父の無念を晴らすべく奮闘します。
畠中恵さんの『なぞとき』
あの屈強な佐助が血だらけになって、犯人は小鬼の鳴家だって? 菓子職人・栄吉の新作あられの味見会は見合い話を摑む場になってしまい、若だんなと妖は摩訶不思議な怪異に遭遇。おまけに若だんなは独立する奉公人の世話をしろと命じられてしまいました。
若だんなと長崎屋の妖達はすべての謎を解けるのでしょうか? 謎がいっぱいのシリーズ第23弾。
富樫倫太郎さんの『北条氏康-関東争乱篇』
北条、武田、今川による甲相駿三国同盟が成立。氏康がようやく関東平定に集中した矢先に、今川義元急死という報がもたらされる。武田と長尾による川中島の戦いも繰り返される中、勢いを得た長尾景虎がついに関東に乗り込みます。小田原城籠城まで追い込まれた存亡の危機を、北条氏は切り抜けられるのでしょうか?
氏康の軍配者・小太郎、信玄の軍配者・冬之助、謙信の軍配者・四郎左――足利学校で共に学んだ日から30年、三人が戦場で相見える日がついに訪れます。
軍配者シリーズ、北条早雲シリーズを継ぐ〈北条サーガ〉は佳境へ突入。
吉森大祐さんの『茨鬼-悪名奉行茨木理兵衛』
天明の大飢饉、老中松平定信の「寛政の改革」失敗と、日本中の経済がどん底の時代。伊勢三十二万石の藤堂家も莫大な借金に喘いでいました。藩主高嶷は藩政改革を決意し、若き下級武士の茨木理兵衛を勘定方に大抜擢。実績を上げ、瞬く間に農政の重職・郡奉行に出世する理兵衛。着実に実績をあげる彼でしたが、藩の財政赤字は酷くなるばかり。彼はついに、財政再建の秘策「地割」敢行を決意します。ところが門閥重臣たち旧弊勢力が理兵衛の前に立ち塞がります。さらに、藩全体を揺るがす大事件が……。
垣根涼介さんの『武田の金、毛利の銀』
上洛した織田信長に呼び出された明智光秀は、とある任務を下されました。数の信奉者である信長は、敵対する大名の財力を把握する必要がありました。中でも武田と毛利の資金源である湯之奥金山と石見銀山の見定めは不可欠です。ただし、そのためには敵地の中枢に潜り込み、金銀の産出量を示した台帳を確認しなくてはなります。見つかれば命の保証はない危険な道中です。光秀は盟友の新九郎と愚息を伴って隠密裏に甲州へ向かいます。駿河湾の港・田子の浦にたどり着いた三人は、そこで土屋十兵衛長安と名乗る奇天烈な男に出会い……。
直木賞受賞後第1作。
植松三十里さんの『鹿鳴館の花は散らず』
「鹿鳴館の花」「日本のナイチンゲール」と呼ばれた侯爵夫人、鍋島榮子。激動の時代の中、日本を支えた女性を描く感動の歴史小説。
澤田瞳子さんの『赫夜』
延暦十九年。駿河国司の家人・鷹取は、軍馬を養う官牧で己の境遇を嘆く日々を送っていました。ある日、近くの市に出かけていた鷹取は、富士ノ御山から黒煙が噴き上がるのを目撃し、降り注ぐ焼灰にまみれて意識を失いました。
一方、近隣の郷人や足柄山の遊女などの避難民を受け入れた牧は、混沌とします。灰に埋もれた郷では盗難騒ぎが起こり、不安、怒り、絶望がはびこるなか、京から坂上田村麻呂による蝦夷征討のための武具作りを命じられます。
平安時代、富士山延暦噴火。大災害に遭った人々の苦悩と奮闘の日々を描く、歴史パニック長編。
滝沢志郎さんの『月花美人』
菜澄藩の郷士・望月鞘音は、姪の若葉との生活を少しでも楽にしようと、傷の治療に使う〈サヤネ紙〉を作っていましたが、幼馴染の紙問屋・我孫子壮介から改良を頼まれます。町の女医者・佐倉虎峰の依頼だといいますが、目的を明かさないので訝しく思うと、それは「月役(月経)」の処置に使うためでした。自分の仕事を汚らわしい用途に使われた、武士の名を貶められた、と激怒する鞘音でしたが、時を同じくして初潮を迎えた若葉が「穢れ」だと村の子供に虐められたことを知ります。女性の苦境を目の当たりにした鞘音は迷いつつ、壮介や虎峰と協力し、「シモで口に糊する」と誹られながらも改良した完成品〈月花美人〉を売り出そうとしますが……。
己に恥じない生き方を問う、医療時代小説。
京極夏彦さんの『狐花 葉不見冥府路行』
「きつねばな はもみずに あのよの みちゆき」
歌舞伎舞台のために書き下ろされた長編ミステリ。
時は江戸。作事奉行・上月監物の屋敷の奥女中・お葉は、度々現れる男に畏れ慄き、死病に憑かれたように伏せっていました。彼岸花を深紅に染め付けた着物を纏い、身も凍るほど美しい顔のその男・萩之介は、”この世に居るはずのない男”でした。
この騒動を知った監物は、過去の悪事と何か関りがあるのではと警戒します。いくつもの謎をはらむ幽霊事件を解き明かすべく、”憑き物落とし”を行う武蔵晴明神社の宮守・中禅寺洲齋が監物の屋敷に招かれます。
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