単行本★時代小説新刊情報|2024年5月の新刊(1日→末日)
2024年5月1日から5月末日の間に、単行本(新書含む)で刊行される時代小説、歴史関連書、古典日本文学の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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高瀬乃一さんの『春のとなり』
奈緒は、夫の仇を討つため、義父の文二郎と信州から江戸へやってきました。ふたりは暮らしを立てようと、深川で薬屋を営みますが、医者である文二郎の元には、貧しく医者代の払えない病人やけが人が次々と駆け込んでくるようになっていました。
そんなある日、深川の芸者・捨て丸が、惚れ薬を作ってほしいといってきます。捨て丸の相手は、なんと有名な本草学者でした。
奈緒たちは、藩の秘め事に巻き込まれながらも、市井の人々のたくましさと優しさに触れ日々の暮らしを愛するようになりますが……。
蝉谷めぐ実さんの『万両役者の扇』
江戸森田座気鋭の役者・今村扇五郎にお熱のお春が、女房の座を狙って近づいたのは……。芸を追求してやまない扇五郎に魅せられた面々の、狂ってゆく人生の歯車。ある日、若手役者の他殺体があがり、ついには扇五郎本人も――「芸のため」ならどこまでの所業が許されるのでしょうか。芝居の虚実を濃密に描き切ったエンタメ時代小説。
村木嵐さんの『まいまいつぼろ 御庭番耳目抄』
徳川吉宗の母・浄円院の口から出た孫・家重廃嫡の真意とは? 老中首座を追われた松平乗邑が向かった先は? 家治が父・家重の言葉を聞き取れなくなった理由。
折り紙一枚も受け取るなと厳命された忠光の妻・志乃の胸の内。
そして、全てを見てきた御庭番、万里が最後に会いに行った人物とは……。
九代将軍・徳川家重と側近の忠光の固い絆を描いた傑作『まいまいつぶろ』完結編。
吉川永青さんの『人斬り以蔵の道理』
元治元年、土佐藩の獄卒・小田切聡介は尋問の場にいました。罪人の名は岡田以蔵。かつて幼なじみであったこの男は、数多の人々の命を奪った罪に問われ、さらには聡介の兄を殺害した下手人である可能性がありました。張りつめた空気の中、以蔵は子どもの頃と変わらぬ笑顔で、自らが手を染めた殺人の記憶を語り始めます。
幕末期の記録に残る岡田以蔵の不可解な言動。そこには、常人には理解しがたい恐るべき「道理」が存在しました。「人斬り以蔵」の謎に迫る、戦慄の歴史サスペンス。
今村翔吾さんの『海を破る者』
かつては源頼朝から「源、北条に次ぐ」と言われた伊予の名門・河野家は、一族の内紛により、いまは見る影もなく没落していました。現当主・河野通有も一族の惣領の地位を巡り、伯父と争うことを余儀なくされていました。
しかしそんな折、海の向こうから元が侵攻してくるという知らせがもたらされます。通有は、ばらばらになった河野家をまとめあげ、元を迎え撃つべく九州に向かいます……。
アジア大陸最強の帝国の侵略を退けた立役者・河野通有が対峙する一族相克の葛藤と活躍を描く歴史大河小説。
佐々木功さんの『天に挑む 大谷刑部伝』
「百万の軍勢を率いさせたい」 天下人豊臣秀吉にそう言わしめた男、大谷刑部。
敦賀五万石の小領主は、なぜ天下分け目の大戦を起こせたのでしょうか。どんな思いで関ケ原の戦場に立ったのでしょうか。
生い立ち、病との闘い、父なる主君、友との出会いと訣別、家臣・家族との絆、そして、最強の敵への挑戦。謎につつまれた名将の渾身の生き様を、新視点で描いた歴史長編。
これは運命から逃げず、命を燃やし尽くし伝説となった男の物語です。
土橋章宏さんの『最後の甲賀忍者』
幕末、元・忍びの里・甲賀は揺れていました。忍びとして戦国では大いに活躍したにもかかわらず、戦がなくなると時の権力者たちは難癖をつけて身分と領地を没収。気づけば忍びの術は失われ、百姓として困窮するまでに。
そんな折の大戦。忍びの技を再び世に示し、甲賀忍者ここにありと知らしめれば、武士の身分に返り咲けるのでは。そんな願いのもと、集められた甲賀の里の若者たち。
その中でも、鬼っ子・山中了司、宮司見習い・安井金左衛門、箱入り息子・大原伴三郎、誇り高き血筋・鵜飼当作、少々年のくった薬術師・間瀬勘解由の五人組は喧嘩ばかりのはちゃめちゃで!?
幕末を駆け抜けた「最後の忍者」の活躍を描くノンストップ・エンターテインメント時代小説。
佐藤巖太郎さんの『控えよ小十郎』
片倉小十郎景綱が伊達政宗を支え続けた理由とは?
秀吉の逆鱗に触れ、家康には妬まれる、「天下人」たちに恐れられた奥羽の王、政宗。
秀吉から家臣にと乞われ、家康にも求められた、奥羽随一の智将、小十郎。
なぜ、ふたりは離れなかったのでしょうか?
身分の差をのりこえて、己の持つ智と力、すべてを政宗に捧げた男が、最後に辿りついた境地とは。戦国屈指の「懐刀」を描く、著者3年半ぶりの新作。
★2024/05/29
河崎秋子さんの『愚か者の石』
明治18年初夏、瀬戸内巽は国事犯として徒刑13年の判決を受け、北海道の樺戸集治監に収監されました。同房の山本大二郎は、女の話や食い物の話など囚人の欲望を膨らませる、夢のような法螺ばかり吹く男でした。明治19年春、巽は硫黄採掘に従事するため相棒の大二郎とともに道東・標茶の釧路集治監へ移送されることになりました。その道中で一行は四月の吹雪に遭遇します。生き延びたのは看守の中田、大二郎、巽の三人だけでした。明治22年1月末、大二郎は収監されていた屏禁室の火事とともに、姿を消しました。明治30年に仮放免となった巽は、大二郎の行方を、再会した看守の中田と探すことになりました。
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