単行本★時代小説新刊情報|2024年1月の新刊(1日→末日)
2024年1月1日から1月末日の間に、単行本(新書含む)で刊行される時代小説、歴史関連書、古典日本文学の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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麻宮好さんの『母子月: 神の音に翔ぶ』
女形の歌舞伎役者・二代目瀬川路京は人気低迷に足掻いていました。天に授けられた舞の拍子「神の音」が聞こえなくなっていたのだです。路京は座元と帳元の強い勧めもあり、現状打破のため、因縁の演目を打つことに。師匠の初代路京が舞台上で殺され、さらに瀬川家が散り散りになったきっかけの「母子月」です。子役として自分も出演した因縁の公演を前にして、初代殺しを疑われた者たちが集まってきました。
真の下手人は誰なのか? 初代はなぜ殺されてしまったのか? 終幕に明かされる真相に涙を流さずにはいられない感動の時代小説。
馳星周さんの『北辰の門』
時は天平。都には天然痘が蔓延し、朝廷にて我が世の春を謳歌していた藤原一族も権勢に陰りを見せていました。その中において、ひとり異彩を放つ男が藤原仲麻呂(恵美押勝)です。祖父・不比等や父・武智麻呂の血を色濃く受け継いだこの男は、叔母の光明皇后や次代の天皇である阿倍内親王の寵愛を受け、急激に頭角を現していきます。ところが仲麻呂は、祖父や父も持ちえなかった、危険な野望を胸に宿していました。北辰の門――この国の皇帝となる道を開こうとした男の、鮮烈なる一生。
永井紗耶子さんの『きらん風月』
かつては寛政の改革を老中として推し進めた松平定信は、60を過ぎて地元・白河藩の座からも引退して、いまは「風月翁」とも「楽翁」とも名乗って旅の途次にあります。その定信が東海道は日坂宿の煙草屋で出会ったのが栗杖亭鬼卵。東海道の名士や文化人を伝える『東海道人物誌』や尼子十勇士の物語『勇婦全伝絵本更科草子』を著した文化人です。片や規律正しい社会をめざした定信に対し、鬼卵は大坂と江戸の橋渡し役となる自由人であり続けようとしました。東海一の文化人と、松平定信の交流が心を揺さぶる、直木賞受賞第一作です。
伊東潤さんの『江戸咎人逃亡伝』
人はなぜ逃げるのか、逃げるとは何かをテーマにした中編3編を収録。秋田のマタギ、佐渡の囚人、吉原の花魁、それぞれの逃亡譚と追跡者たちの軌跡を描いた時代エンターテインメント。
朝井まかてさんの『秘密の花園』
日本小説の祖・曲亭馬琴。彷徨い続けた青年時代、放浪の末、当代一の戯作者・山東京伝の門をたたき、蔦屋重三郎の店に奉公して戯作の道に踏み出します。葛飾北斎らとの交誼を経て、馬琴はやがて江戸随一の戯作者となりおおせるのですが……
妻はヒステリー、愛する息子は柔弱、『南総里見八犬伝』に着手するも板元とはトラブル続き。それでも馬琴は、武家である滝沢家再興の夢を捨てず、締切に追われながら家計簿をつけ、息子とともに庭の花園で草花を丹精します。
狷介で知られた馬琴の素顔、けなげな哀歓が鮮やかに蘇ります。苦難の末、大戯作者が辿り着いた花園とは?
帚木蓬生さんの『香子(二) 紫式部物語』
出産、夫との死別を経て、都へ戻った香子(紫式部)は、一条帝の中宮・藤原彰子に出仕しながら、「源氏物語」紅葉賀~朝顔の帖に取り組むみます。『源氏物語』を紡ぎ出した紫式部の数奇な人生を描く、全5巻の大河小説の第2巻。
泉ゆたかさんの『ユーカラおとめ』
「ユーカラを書き記すことは、私が生まれてきた使命なのだ」
絶滅の危機に瀕した口承文芸を詩情あふれる日本語に訳し、今も読み継がれる名著『アイヌ神謡集』。著者は19歳の女性でした。
明治末から大正にかけて、民族の誇り、差別との戦い、ユーカラに賭ける情熱。短くも鮮烈な知里幸恵(ちりゆきえ)の生を描く、感動長編。人気時代小説家が挑む新境地。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
●1月1日発売 文芸社 | |||||
『星の光源 ~アン・マンズフィールド・サリヴァン異聞』 | 土井章寛 | ||||
●1月1日発売 捕物出版 | |||||
『浅香主水捕物帖 第三巻 若衆人形』 | 佐々木杜太郎 | ||||
●1月6日発売 ABCアーク | |||||
『歴史人2024年2月号(特集:平安王朝時代がまるわかり! 藤原道長と紫式部)』 →記事:歴史人2月号は、「光る君へ」の時代がまるわかり特集号 |
歴史人編集部編集 | ||||
●1月6日発売 KADOKAWA | |||||
『ダ・ヴィンチ 2024年2月号』 | |||||
●1月6日発売 PHP研究所 | |||||
『歴史街道2024年2月号(特集1「紫式部と藤原道長」)』 | 歴史街道編集部編集 | ||||
●1月6日発売 朝日新聞出版・週刊朝日ムック | |||||
『歴史道 Vol.31 藤原氏1300年の栄華の謎』 | 朝日新聞出版編集 | ||||
●1月10日発売 KADOKAWA・角川新書 | |||||
『禅と念仏』 | 平岡聡 | ||||
●1月10日発売 中央公論新社 | |||||
『明治六大巡幸──「報道される天皇」の誕生』 | 奥武則 | ||||
●1月10日発売 中央公論新社・中公新書ラクレ | |||||
『川路利良 日本警察をつくった明治の巨人』 | 加来耕三 | ||||
●1月10日発売 朝日新聞出版 | |||||
『平安 もの こと ひと事典』 | 砂崎良 | ||||
●1月11日発売 筑摩書房・ちくま新書 | |||||
『古代中国王朝史の誕生 ――歴史はどう記述されてきたか』 | 佐藤信弥 | ||||
●1月15日発売 講談社・講談社選書メチエ | |||||
『神武天皇の歴史学』 | 外池昇 | ||||
●1月19日発売 小学館 | |||||
『旅する皇女 倭姫命 伊勢神宮のはじまり』 | 石垣仁久,渡邉卓 | ||||
●1月19日発売 文藝春秋・文春新書 | |||||
『近代日本の地下水脈1哲学なき軍事国家の悲劇』 | 保阪正康 | ||||
『磯田道史と日本史を語ろう』 | 磯田道史 | ||||
●1月22日発売 小学館 | |||||
★ | 『母子月: 神の音に翔ぶ』 →記事:「2024年1月の新刊(単行本)」をアップ →記事:舞台で横死した歌舞伎女形。三十四年ぶりの再演で真相に迫る |
麻宮好 | |||
●1月22日発売 祥伝社 | |||||
『小説NON 2024年 02 月号』 | |||||
●1月22日発売 新潮社 | |||||
『小説新潮 2024年02月号』 | 小説新潮編集部編集 | ||||
●1月22日発売 中央公論新社 | |||||
★ | 『北辰の門』 | 馳星周 | |||
●1月22日発売 文藝春秋 | |||||
『オール讀物 2024年 02 月号』 | |||||
●1月23日発売 岩波書店・岩波新書 | |||||
『ヨーロッパ史 拡大と統合の力学』 | 大月康弘 | ||||
『百人一首──編纂がひらく小宇宙』 | 田渕句美子 | ||||
●1月23日発売 文藝春秋 | |||||
『昭和怪事件案内』 | ドリヤス工場 | ||||
●1月24日発売 マイナビ出版 | |||||
『【増補改訂版】将棋400年史』 | 野間俊克 | ||||
●1月24日発売 講談社 | |||||
★ | 『きらん風月』 | 永井紗耶子 | |||
●1月25日発売 パレード | |||||
『忍者 伴七郎 ~上ノ郷城合戦~』 | 新井聡 | ||||
●1月25日発売 新潮社 | |||||
『西行:歌と旅と人生』 | 寺澤行忠 | ||||
●1月26日発売 医療科学社 | |||||
『改訂新版 医療史跡探訪―解剖・感染症・福祉』 | 諸澄邦彦 | ||||
●1月26日発売 双葉社 | |||||
『小説推理 2024年3月号』 | 双葉社編集 | ||||
●1月26日発売 徳間書店 | |||||
★ | 『江戸咎人逃亡伝』 | 伊東潤 | |||
●1月26日発売 日経BP 日本経済新聞出版 | |||||
★ | 『秘密の花園』 | 朝井まかて | |||
●1月29日発売 彩流社 | |||||
『シャーロット・ブロンテ 過去から現在へ』 | パッツィ・ストンマン | ||||
●1月31日発売 KADOKAWA | |||||
♪ | 『乱歩殺人事件――「悪霊」ふたたび』 | 芦辺拓、江戸川乱歩 | |||
●1月31日発売 PHP研究所 | |||||
★ | 『香子(二) 紫式部物語』 | 帚木蓬生 | |||
●1月31日発売 PHP研究所 | |||||
『夏目家のそれから』 | 半藤末利子 | ||||
●1月31日発売 幻冬舎・幻冬舎新書 | |||||
『新・幕末史 グローバル・ヒストリーで読み解く列強vs.日本』 | NHKスペシャル取材班 | ||||
●1月31日発売 講談社 | |||||
★ | 『ユーカラおとめ』 →記事:アイヌの文化に命を捧げた、知里幸恵の鮮烈な生涯 |
泉ゆたか |
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