時代小説●文庫新刊情報|2025年3月下旬の新刊(21日→月末)
2025年3月21日から3月末日にかけて文庫で発売される時代小説の新刊情報をお届けします。おすすめの新刊の紹介文は、Amazonの内容紹介より抜粋・編集しています。各タイトルには、Amazon.co.jpの詳細紹介ページへのリンクを設定しています。 →新刊情報リストを見る
角川文庫
赤神諒さんの『仁王の本願』
15世紀末、北陸・加賀に「百姓ノ持チタル国」が建国されてから80年が経ちました。武士の支配を退け、民衆が自ら治める一向一揆の政は、内外の戦に明け暮れるうちに次第に腐敗していきます。織田信長や上杉謙信、朝倉義景といった強大な外敵に囲まれ、窮地に陥った加賀に現れたのは、「仁王」と称される本願寺最強の坊官・杉浦玄任でした。加賀から越前、さらには日本全土に「民の国」を築くため、救いなき乱世で戦い続ける玄任の生き様を、ドラマチックに描いた意欲作です。
氷月葵さんの『すずめのお師匠 もつれ糸』
馬喰町に暮らす芝居一座で、一人の役者が殺されました。手習い師匠の冬吾は、与力を務める双子の兄・紀一郎を手伝い、科人を追います。留守宅を狙った盗人の仕業なのか、それとも恨みを持つ者の犯行なのか――。血のつながりはなくとも寝食を共にし、まるで家族のように生きる芝居一座。独特な人間関係に戸惑いながらも探索を続けるうちに、一座から書きかけの芝居の本が消えていることが発覚します。江戸の「家族」の姿を見つめるシリーズ第2弾です。
佐々木禎子さんの『芝居茶屋たけの家味ごよみ 大根役者といかのぼり』
結婚の遅れを心配されながらも、両親の小茶屋「たけの家」を手伝っていたおなつ。しかし、火事で父を亡くし、母は寝込んでしまいます。浅草猿若町に店を移し、再起を図りますが、出遅れたうえに奢侈禁止令の影響もあり、なかなか客が入りません。重責と不安に押しつぶされそうになりながらも、不器用ながら励ましてくれる弟をはじめ、周囲の支えに気づいたおなつは、やがて店を背負う覚悟を決めていきます。美味しくて温かな新シリーズ、開幕です。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
↑ 新刊情報Topへ|← 2025年3月の新刊 中(11日→20日)
