時代小説●文庫新刊情報|2025年1月下旬の新刊(21日→月末)
2025年1月21日から1月末日にかけて文庫で発売される時代小説の新刊情報をお届けします。おすすめの新刊の紹介文は、Amazonの内容紹介より抜粋・編集しています。各タイトルには、Amazon.co.jpの詳細紹介ページへのリンクを設定しています。 →新刊情報リストを見る
集英社文庫
北方謙三さんの『チンギス紀 四 遠雷』
豊海(バイカル)に派遣した人員をメルキト族に殺害されたテムジンは闘いを決意し、一千騎を用意します。メルキト族と対立する盟友のジャムカも一千騎を率いてテムジン軍に合流。メルキト族の長トクトアは三千騎を召集しますが、テムジンとジャムカの攻撃で軍は敗北し、撤退します。
その後、ジャムカはケレイト王国のトオリル・カンの弟ジャカ・ガンボの姪フフーを妻に迎え、テムジンのもとには南から蕭源基らが訪れ再会を果たします。また、槍の達人ジェルメは、テムジンを二度斬った強者・玄翁に関する驚くべき事実を打ち明けます。
さらにトオリル・カンがメルキト族との闘いに臨むため二万騎を召集。テムジンとジャムカはこれに合流し、ケレイト王国軍の一員として一大決戦に挑むことになります。
チンギス・カンの波乱に満ちた生涯と、彼と出会った英雄たちの生きざまを描く歴史大河小説、待望の第4巻です。
角川文庫
蝉谷めぐ実さんの『おんなの女房』
時は文政、ところは江戸。武家の娘・志乃は、歌舞伎を知らないまま役者のもとへ嫁ぎます。夫となった喜多村燕弥は、江戸三座の一つ森田座で評判の女形。家でも女として振る舞い、女よりも美しい燕弥を前に、志乃は自分の居場所を見失ってしまいます。
「私はなぜこの人に求められたのか――」
芝居に全てを注ぐ燕弥の隣で、志乃は自らの生き方、そして燕弥との関係について思い悩みます。
女房とは、女とは、己とは一体何なのか――。
いびつな夫婦が織り成す唯一無二の恋物語。
第10回野村胡堂文学賞、第44回吉川英治文学新人賞の二冠を受賞した作品です。
二見時代小説文庫
氷月葵さんの『逃げる役人 密命はみだし新番士2』新番士・不二倉壱之介に将軍家斉から下された命令は「勘定奉行組頭だった土山宗次郎に切腹をさせよ」というもの。土山は吉原の遊女を身請けし、江戸中の評判となっていましたが、その後行方をくらまします。
老中の配下である目付も動き出す中、壱之介は土山の行方を追います。先を越されるわけにはいかない状況で、隠密や町の事件に立ち向かいながら、新番士として成長していく壱之介の活躍が描かれる新シリーズ第2弾です。
新潮文庫
藍銅ツバメさんの『鯉姫婚姻譚』
若くして商いに失敗し隠居を余儀なくされた孫一郎が移り住んだ屋敷。その庭の池には、人魚「おたつ」が暮らしていました。彼女に懐かれ、「夫婦になってあげる」と告げられた孫一郎は、彼女に結婚を諦めさせるため、人と異形が恋に落ち、不幸な結末を迎えた話を語ります。
しかし、次第に二人の関係には変化が生じ――。
日本ファンタジーノベル大賞2021受賞作。幻想的で心温まる物語が文庫化です。
創元推理文庫
芦辺拓さんの『大鞠家殺人事件』
大阪船場の豪商・大鞠家に嫁いだ美禰子は、新婚早々、夫が出征し、家族との同居生活を余儀なくされます。そこに起こるのは、一族を巻き込む惨劇の連続――。
昭和18年の戦下、大阪大空襲前夜の怪異と驚愕の事件を描いた本格推理の傑作。第75回日本推理作家協会賞、第22回本格ミステリ大賞をW受賞した作品です。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
●1月21日発売 集英社・集英社文庫 | |||||
★ | 『チンギス紀 四 遠雷』 | 北方謙三 | |||
♪ | 『鉞ばばあと孫娘貸金始末 十両役者』 | 千野隆司 | |||
♪ | 『騙された! おやこ相談屋雑記帳』 | 野口卓 | |||
●1月21日発売 毎日新聞出版・毎日文庫 | |||||
『山本五十六の戦争』 | 保阪正康 | ||||
●1月22日発売 コスミック出版・コスミックセシル文庫 | |||||
『貴なる公達アルファと情男オメガ』 | 墨谷佐和 | ||||
●1月22日発売 中央公論新社・中公文庫 | |||||
♪ | 『天祐は信長にあり(三)-天下布武』 | 岩室忍 | |||
♪ | 『うぽっぽ同心終活指南(三)-箍屋』 | 坂岡真 | |||
●1月22日発売 東京創元社・創元推理文庫 | |||||
♪ | 『行方知れずの仲人屋: 妖怪の子、育てます5』 | 廣嶋玲子 | |||
●1月24日発売 KADOKAWA・角川ソフィア文庫 | |||||
『詳解 宮廷と有職の染織』 | 八條忠基 | ||||
●1月24日発売 KADOKAWA・角川文庫 | |||||
『禍姫の初恋 唐陀国後宮異聞』 | 宮野美嘉 | ||||
■ | 『風の忍び 二、恋の闇』 | 鈴峯紅也 | |||
『翡翠の戦姫 神石ノ記1』 | 奥乃桜子 | ||||
『蒼碧の孤将 神石ノ記2』 | 奥乃桜子 | ||||
♪ | 『北条は退かず(上) 激闘、三増峠の戦い』 | 近衛龍春 | |||
『煌めく宝珠は後宮に舞う 1』 | 悠井すみれ | ||||
『煌めく宝珠は後宮に舞う 2』 | 悠井すみれ | ||||
『烏衣の華 2』 | 白川紺子 | ||||
★ | 『おんなの女房』 →記事:「時代小説●2025年1月下旬の新刊情報(文庫)」を公開 |
蝉谷めぐ実 | |||
♪ | 『天馬は空をゆく 金椛国駿風』 | 篠原悠希 | |||
♪ | 『武士はつらいよ 江戸出府』 | 稲葉稔 | |||
●1月27日発売 二見書房・二見時代小説文庫 | |||||
★ | 『逃げる役人 密命はみだし新番士2』 | 氷月葵 | |||
♪ | 『化物屋敷 御隠居用心棒残日録3』 | 森詠 | |||
●1月29日発売 新潮社・新潮文庫 | |||||
★ | 『鯉姫婚姻譚』 | 藍銅ツバメ | |||
●1月30日発売 東京創元社・創元推理文庫 | |||||
★ | 『大鞠家殺人事件』 | 芦辺拓 |
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