時代小説●文庫新刊情報|2024年10月上旬の新刊(1日→10日)
2024年10月1日から10月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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実業之日本社文庫
武内涼さんの『源氏の白旗 落人たちの戦』
源頼朝が初めて武家政権を開く直前、平家との激しい戦いが繰り広げられる中、感涙を誘う人間ドラマが展開されます。父殺しの汚名を着せられながらも再起を図る源義朝、妻・常盤御前と幼い子供たちとの雪中の逃避行、木曾義仲と女戦士・巴の激しい戦い、そして源頼朝に見捨てられた義経と静御前の誇り高い姿……。敗者としての源氏の戦いを情感豊かに描いた作品です。
中得一美さんの『おやこしぐれ』
藩の重要な役職に就いている岩井長弼の妻・十和のもとに悲報が届きます。息子の誠志郎が、藩校での子供同士の喧嘩が原因で、下級武士の息子である谷田小太郎を誤って斬り殺してしまったのです。跡取りを失った長弼は、十歳にして文武両道に優れている小太郎を養子に迎えます。我が子を殺した加害者の母となった十和の心は乱れ、小太郎も苦悩と悔恨の日々を送りますが、やがて二人の関係がどう変わっていくのかが描かれた感動的な物語です。
小学館文庫
和田はつ子さんの『新・口中医桂助事件帖 ほうれん草異聞』
藤屋桂助は、妻の志保、房楊枝職人で助手の鋼次夫妻と共に幕末にアメリカへ渡り、最新の歯科医療を学んで帰国しました。明治政府は近代化を進める中で、西洋医学への転換を急ぎ、医師開業試験を設けることにします。桂助は、長与専斎からその試験に協力するよう要請を受け、時代の流れに巻き込まれていく姿が描かれています。
藤元登四郎さんの『祇園「よし屋」の女医者 母子笛』
文化五年(1808年)、祇園末吉町のお茶屋「よし屋」の一人娘・月江は、母・喜久江の後を継ぐ予定でしたが、名医・小島源斎の元で医術を学ぶうちに医者を志すようになります。一方、笛の遣い手である母・ちどりの技を継ぐべく稽古に励むお春。しかし、母の失踪によってお春の生活は一変し、「ふく内」の舞子として働き始めます。母子再会の願いを胸に、お春を支える月江。二人の女性の絆と苦難を描いた作品です。
潮文庫
伍代圭佑さんの『若親分、起つ 目明かし常吉の神楽坂捕物帖』
神楽坂で名を馳せた目明かしの鐡が、謎の死を遂げます。彼の息子・常吉は、何気ない日々を送っていましたが、父の死の真相を追うために「神楽坂の若親分」として立ち上がります。父の名誉を回復するために、常吉が事件を解き明かしていく捕物帖です。
朝日文庫
戸田義長さんの『吉原面番所手控』
40年間吉原面番所で勤め上げた木島平九郎は、その死を前に自身の過去を語り始めます。彼は高い評価を受けた人物でしたが、実際に事件を解決していたのは花魁たちでした。花魁たちの切なさが溢れる、儚くも切ない時代小説です。
光文社文庫
岡本さとるさんの『春風捕物帖』
南町奉行所の同心・春野風太郎は、若い男の死体が発見されたと聞き駆けつけます。その男が呉服店の手代であることが判明し、彼の死にはとある女が絡んでいる可能性が浮上します。人に優しく、悪には厳しい風太郎が事件の真相に迫る、心温まる新シリーズの始まりです。
双葉文庫
篠綾子さんの『芝神明宮いすず屋茶話(一) 埋火』
芝神明宮の門前茶屋「いすず屋」で女中として働くお蝶は、人に言えない事情を抱えながらも、周囲の温かい支えのもとで生きています。ある日、幼馴染のお美代が訪れ、猫を預かって欲しいと頼まれますが、その言動に不安を覚えます。義理と人情に満ちた江戸の人々の暮らしが描かれる新シリーズの第1作です。
馳月基矢さんの『義妹にちょっかいは無用にて(5)』
次兄の臣次郎が蘭方医術を学ぶために長崎へ旅立ったため、主人公の将太は医師である父・邦斎の手伝いをするようになります。そんな中、間宮林蔵との出会いが将太の運命を大きく変えることに。一方、理世の実の兄である為永朱之進が弓術の大会に参加し、火盗改の娘・斎藤留以と惹かれ合っていく姿も描かれた、江戸の若者たちの青春群像です。
文春文庫
谷津矢車さんの『蔦屋』
寄る年波には勝てず、店仕舞いを考えていた地本問屋・丸屋小兵衛の元に、若き才気あふれる男・蔦屋重三郎が現れます。重三郎は、小兵衛に毎年二十両を支払う代わりに、自身の商売を手伝って欲しいと申し出ます。彼の提案に戸惑う小兵衛でしたが、重三郎と共に再び商売の波に乗り、世間を驚かせることを目指します。やがて、松平定信による政治改革が進む中、彼らの商売も予期せぬ方向に展開していきます。
祥伝社文庫
辻堂魁さんの『蝦夷の侍 風の市兵衛 弐』
西蝦夷地のアイヌの集落に江戸の武士がいるという噂を聞き、元船手組同心の瀬田宗右衛門は、その武士が12年前に義絶した長男・徹であると確信します。跡を継いだ次男が成敗され、瀬田家が改易の危機にある中、宗右衛門は唐木市兵衛に長男の捜索を依頼します。市兵衛が海路を進む中、彼らの行く手を阻むロシアの賊との戦いが待ち受けています。
有馬美季子さんの『心むすぶ卵 深川夫婦捕物帖』
深川の油屋に男が立て籠もり、女房を殺した犯人を捜すよう叫びます。飯屋の女将・お純が食事を届けるうちに男と打ち解け、事件の手掛かりを得ます。夫で岡っ引きの弥助が捜査を進める中、過去の禁じられた食材に関わる陰謀が明らかになっていく、夫婦の絆が描かれた捕物帖です。
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