時代小説●文庫新刊情報|2024年9月中旬の新刊(11日→20日)
2024年9月11日から9月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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光文社文庫
田牧大和さんの『紅きゆめみし』
江戸指折りの芝居小屋・市村座の人気女形・荻島清之助。芝居中に起きた騒動が原因で干されてしまったある日、清之助が贔屓にしている吉原一の遊女・紅花太夫に迎えられた宴で、不気味な子守唄を歌う禿「七」の噂を耳にしました。火焙りになった「お七様」が化けて出るという。「お七様の祟り」の真相とは? 吉原を舞台に人々の業が渦巻く時代ミステリー。
山本巧次さんの『蟷螂の城 定廻り同心 新九郎、時を超える』
江戸町奉行所の同心・瀬波新九郎は、志津との祝言に向けて思いを募らせていました。と、そこに、急遽、問題が持ち上がります。作事奉行の下吏を務める志津の父・上谷畿三郎が、脇差に入っている家紋が不届きだと讒言を受け、謹慎させられてしまったのです。もはや祝言を行うどころではありません。そこで、言いがかりをつけたと思しき人物の周辺を調べることにしたのですが、そんな折に、またも時空を飛び越えてしまいました。辿りついた先は、なんと関ヶ原の合戦直後の戦場近くの場所でした……。タイムスリップ時代小説シリーズの第3弾。
本書は理流が解説を書きました。
双葉文庫
金子成人さんの『ごんげん長屋つれづれ帖【九】- 藪入り飯』
お勝の娘お琴と因縁が深いおひわを助けたことがきっかけで、『ごんげん長屋』の新たな住人となったお栄。料理屋『喜多村』の台所女中としての勤めぶりも評判がよく、長屋の皆ともすっかり打ち解けたお栄が、正月十六日に長屋の皆に料理を振る舞いたいと。
「藪入り」の長屋を賑わす『葱飯』のお味やいかに。
くすりと笑えてほろりと泣ける、人情長屋小説シリーズの決定版第9弾。
時代小説文庫
稲田幸久 さんの『悪党(上)(下)』
角川春樹小説賞受賞作家が描く、河内の〝悪党〟楠木正成。
幕府に従わないために“悪”と決めつけられた男が本拠・赤坂荘で行う政は、銭を中心とする、誰もが等しい、武士の支配とは異なるものでした。その政を己の力が及ぶ範囲で守ろうとしていた正成の目標は、ある日、一人の男と出会うことで様変わりしました。護良親王──今上帝の第三皇子です。
彼と志を共にし、日本全土から武士の支配を取り除くため、弟・正季や幼馴染みの山の王、猿楽師らと共に強大なる敵に挑む、熱き大河歴史小説。
佐々木裕一さんの『この世の花』
徳川譜代の名門で七千石の旗本の妾の娘・花。母・ふきは商人の娘ながら父・真島兼続に惚れられて娶られ、母子ともに兼続から愛されていました。
しかし、それを正妻、そして他の妻は妬み嫉み、事あるごとに虐げました。兼続の長男・一成やその親友・青山信義と保坂勇里は花の懸命な姿に目を掛けているのですが、それがまた他の娘たちには気にくわないのです。そんな中、ふきが病に倒れ……。
激動の時代に、苦難を乗り越え健気に輝く、一人の少女の物語。痛快文庫書き下ろしの名手の新境地。
祥伝社文庫
あさのあつこさんの『もっと!にゃん! 鈴江三万石江戸屋敷見聞帳』
大店の一人娘、お糸が奉公に出ているのは鈴江三万石の江戸屋敷。腰元は猫、上臈は虎という、一風変わった仲間とともに、唯一の〝人族〟として猫の奥方さまに仕えています。ところが、平和を絵に描いたような鈴江の地に、近頃なにやら不穏な噂が。公儀に目をつけられたとか、乗っ取りを画策されているとかいないとか。真相を確かめるため、お糸らは探索に乗り出しますが……。
抱腹絶倒の猫時代小説第2弾。
とが三樹太さんの『品川宿仇討ち稼業』
仇討ち助太刀仕り候――浪人・乾勝之助の稼業は頼まれて仇を探し、討つ手伝いをすること。実は勝之助自らも仇を探していました。勘定所の役人だった父太兵衛は、公金横領の汚名を着せられ殺害されました。勝之助は稼業の傍ら下手人らしき元岸和田藩士志摩源次郎を追います。ある日、幼い姉妹の依頼に勝之助は動揺しました。姉妹の仇は志摩その人で……。情に厚い快男児の活躍を描く痛快時代小説。
講談社文庫
京極夏彦さんの『文庫版 鵼(ぬえ)の碑』
殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。消えた三つの他殺体を追う刑事。妖光に翻弄される学僧。失踪者を追い求める探偵。死者の声を聞くために訪れた女。そして見え隠れする公安の影。
発掘された古文書の鑑定に駆り出された古書肆は、縺れ合いキメラの如き様相を示す「化け物の幽霊」を祓えるのでしょうか。
百鬼夜行シリーズ新作長編、早くも文庫版で登場。
三國青葉さんの『母上は別式女』
江戸時代に実在した「別式女」。大名家の奥を守る女武芸者のことで、御三家や仙台藩などの大藩には置かれていましたが、万里村巴が仕えるたった5万石の雨城藩に6人もいるのは珍しいこと。なかでも巴はその統率者たる「別式女筆頭」です。その任務は多岐にわたり、藩主の妻女の護衛のほか、家臣の子女への剣術指南なども行いました。
ところが巴は、剣の腕は立つが料理はからっきし。反対に夫の音次郎は、上屋敷の賄い方助として料理の腕をふるっていました。そんな「凸凹夫婦」の万里村家には、皮肉屋の父や楽天家の息子もいて、まったくもって目が離せなません……。
夜弦雅也さんの『逆境 大正警察 事件記録』
明治44年(1911年)、警視庁は大改革を行い、日本初の鑑識課を設置。世界でも早期に科学捜査の一つ「指紋捜査」を開始しました。
本庁捜査係の虎里武蔵は、「眼力でピストル強盗を逮捕した男」として名を馳せ、板橋署から引き抜かれた優秀な刑事。その武蔵が非番の日に電報で呼び出されました。東京府西多摩郡の山村で6歳の少女の死体が見つかったのです。
武蔵は麹町の下宿から青梅町に向かい、山中の遺体遺棄現場に臨場しました。現場ではスコップが見つかり、科学捜査として指紋が採取されました。その指紋は少女の父親のものと一致し、最重要容疑者に浮かび上がりましたが、武蔵は、犯行動機に疑問を感じて……。
平安前期を舞台にした歴史活劇『高望の大刀』で注目の著者の待望の新作。
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