時代小説●文庫新刊情報|2024年4月中旬の新刊(11日→20日)
2024年4月11日から4月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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祥伝社文庫
佐倉ユミさんの『ひとつ舟 鳴神黒衣後見録』
元は大店の長子だが道を踏み外し狂言作者見習いとなった狸八は、芝居一座鳴神座に少しずつ馴染んでいきます。平家物語の一節、那須与一が扇を射る場面を駆け出しの役者たちで演ずるにあたり、狸八が黒衣を務めることに。矢を受けて高々と舞う扇を演出する役目です。しかし初稽古に思わぬ落とし穴が……。失態を犯し針の筵の狸八は、再び己の居場所を作るべく奮闘します。青春歌舞伎小説シリーズ第2弾。
辻堂魁さんの『うつ蝉 風の市兵衛 弐』
家格の違いにも拘らず、三千石の旗本岩倉家に輿入れした村山早菜。藩の陰謀で父を失うも唐木市兵衛に助けられた川越藩士の娘です。ところが、幸せは束の間。市兵衛は兄・片岡信正から、岩倉家の逼迫した台所事情を知らされ、憤ります。早菜の幸福を願う後見人の大店両替商《近江屋》の財を貪らんとする卑劣な縁組か。そんな折、変死体を調べる渋井父子は妙な金貸の噂を聞き……。
PHP文芸文庫
田牧大和さんの『鯖猫長屋ふしぎ草紙(十一)』
魚屋の貫八が、画描きの拾楽に助けを求めてやってきました。なんでも、昔世話になった恩人のお延が、「飲むと肌が白くなる水」という怪しげな儲け話に嵌まっていると。
人のいい貫八が巻き込まれる、と察した拾楽は、江戸最強の猫サバを連れてお延が住む家へと向かいます。
そのとき、突然、不吉な気配を濃厚に纏う「あの男」が現われました。――不審に思う拾楽だですが、そこにもう一人、暑苦しい「役者」も登場し……。
根津権現にほど近い「鯖猫長屋」が舞台にした「大江戸謎解き人情ばなし」第11弾。
文庫書き下ろし。
講談社文庫
今村翔吾さんの『じんかん』
主家を乗っ取り、将軍を暗殺し、東大寺大仏殿を焼き払い、悪名高き武将松永久秀。織田信長に二度目のむ本を起こしていましたが、信長は「降伏すれば赦す」と。驚愕する小姓狩野又九郎を相手に乗?長羽、世人は知らない久秀の壮絶な半生を語り始めました。
第11回山田風太郎賞受賞作。
時代小説文庫
櫻部由美子さんの『そなたの母 出直し神社たね銭貸し』
二月朔日、〈出直し神社〉の境内に、螺髪頭の若い男が駆け込んできました。売り物の茹でたまごが、ひとつ浮き上がって空を飛び、追いかけているうちに偶然ここに辿り着いたと。
一方、お蔵茶屋〈くら姫〉は盛況ですが、似通った店が次々とできて競合が激しさを増しています。
巷では〈そなたの母〉と呼ばれる騙りの手口による強盗事件が起きて……。
神社を参拝した人々の人生が、縁起の良いたね銭と、貧乏神に見込まれた娘の奮闘によって動き出すシリーズ第5作。
集英社文庫
今野敏さんの『宗棍』
松村宗棍は13歳の頃、友だちをいじめる少年たちを打ち倒しました。それによって高名な武術家・照屋に武の才を見出され、彼に弟子入りします。
元服を迎えて首里王府の役人となりますが、強さが評判を呼んで、国王に御前試合への参加を命じられます。思いがけず琉球屈指の強豪たちに挑むことになり――。
国王との交流、「最強」の妻との出会い、好敵手との決闘、猛牛との闘い、弟子の自害……様々な出来事に直面しながら、彼は本当の強さを追い求めていきます。
幕末、琉球王国が滅びゆく時代に、国王の武術指南役として強さとは何かを追い求め、琉球空手の礎を築いた男の生涯を描く長編。
梶よう子さんの『本日も晴天なり 鉄砲同心つつじ暦』
時は幕末。江戸城下、大久保の地。長く泰平の世が続き、代々この地を守ってきた鉄砲同心たちは、火薬の原料を転用したつつじ栽培の内職に励み、家計の足しにするようになっていました。
礫家はつつじ作りに類まれな才を発揮する丈一郎、頑固者の父・徳右衛門、物忘れが多くなってきた祖母・登代乃、温和な母・広江、勝気な嫁・みどり、生真面目な息子・市松の六人暮らし。
喧嘩も笑いも絶えない一家が大小様々な事件に巻き込まれて――。温かな〈お江戸家族小説〉です。
遠藤彩見さんの『虹を待つ 駆け込み寺の女たち』
妻から離縁の申し立てができる、上州にある縁切寺・満徳寺。今日も事情を抱えた女たちが駆け込んできますが──。『給食のおにいさん』『左右田に悪役は似合わない』など青春小説や現代ミステリーで活躍する著者初の時代小説。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし
●4月11日発売 講談社・講談社学術文庫 | |||||
『日本仏教再入門』 | 末木文美士編著 | ||||
『ヨーロッパの出現』 | 樺山紘一 | ||||
『古代エジプト動物誌』 | 酒井傳六 | ||||
●4月11日発売 三省堂書店/創英社 | |||||
♪ | 『今ひとたびの』 | 吉村久夫 | |||
●4月11日発売 祥伝社・祥伝社文庫 | |||||
★ | 『ひとつ舟 鳴神黒衣後見録』 →記事:「時代小説●2024年4月中旬の新刊情報(文庫)」をアップ | 佐倉ユミ | |||
★ | 『うつ蝉 風の市兵衛 弐』 | 辻堂魁 | |||
♪ | 『忘れえぬ 風烈廻り与力・青柳剣一郎』 | 小杉健治 | |||
●4月11日発売 徳間書店・徳間書店 | |||||
♪ | 『大久保家の人びと 天下動乱の父子獅子』 | 井川香四郎 | |||
♪ | 『安倍晴明くれない秘抄』 | 六道慧 | |||
■ | 『番神の梅 〈新装版〉』 | 藤原緋沙子 | |||
●4月12日発売 PHP研究所・PHP文芸文庫 | |||||
♪ | 『京都 梅咲菖蒲の嫁ぎ先(二) 百鬼夜行と鵺の声』 | 望月麻衣 | |||
★ | 『鯖猫長屋ふしぎ草紙(十一)』 →記事:美鯖猫と猫の先生は、怪しい化粧水の儲け話の謎と黒幕に迫る | 田牧大和 | |||
●4月12日発売 講談社・講談社文芸文庫 | |||||
『〈世界史〉の哲学4 イスラーム篇』 | 大澤真幸 | ||||
●4月12日発売 講談社・講談社文庫 | |||||
♪ | 『ロミオとジュリエットと三人の魔女』 | 門井慶喜 | |||
★ | 『じんかん』 | 今村翔吾 | |||
♪ | 『捻れ家 古道具屋 皆塵堂』 | 輪渡颯介 | |||
●4月12日発売 筑摩書房・ちくま学芸文庫 | |||||
『中国古典小説史 ――漢初から清末にいたる小説概念の変遷』 | 大塚秀高 | ||||
『江戸の都市計画』 | 鈴木理生 | ||||
『古代技術』 | ヘルマン・ディールス | ||||
●4月12日発売 筑摩書房・ちくま文庫 | |||||
『戦国武将と男色 増補版』 | 乃至政彦 | ||||
●4月15日発売 KADOKAWA・富士見L文庫 | |||||
『生贄乙女の婚礼 龍神様に食べられたいのに愛されています。』 | 唐澤和希 | ||||
●4月15日発売 角川春樹事務所・時代小説文庫 | |||||
■ | 『(新装版)三国志 六の巻 陣車の星』 | 北方謙三 | |||
★ | 『そなたの母 出直し神社たね銭貸し』 | 櫻部由美子 | |||
●4月17日発売 三笠書房・知的生きかた文庫 | |||||
『ここまでわかった! 縄文と弥生 77の謎: 新発見に満ちた「日本のはじまり」の旅へ』 | 「ニッポン再発見」倶楽部 | ||||
●4月19日発売 角川春樹事務所・ハルキ文庫 | |||||
♪ | 『最果ての森 妖国の剣士(6)』 | 知野みさき | |||
●4月19日発売 集英社・集英社文庫 | |||||
★ | 『宗棍』 | 今野敏 | |||
★ | 『本日も晴天なり 鉄砲同心つつじ暦』 | 梶よう子 | |||
★ | 『虹を待つ 駆け込み寺の女たち』 | 遠藤彩見 |
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