時代小説●文庫新刊情報|2024年2月中旬の新刊(11日→20日)
2024年2月11日から2月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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時代小説文庫
柴田よしきさんの『別れの季節 お勝手のあん』
政一が献立帖作りに取り掛かり始めました。おやすの絵も使われて、紅屋の記録になり、料理の道に邁進する日々。そうして正月も過ぎた折、お小夜から文が届く。里帰りをするのだが、その時におやすと人知れずに会いたいという。息子が病弱で苦労していると聞いていたおやすは不安を覚え……。待望のシリーズ第9弾。
知野みさきさんの『相槌 神田職人えにし譚』
財布や守り袋などを美しい刺繍で飾る職人・縫箔師の咲。そんな咲が幼い頃から一人で面倒を見てきた妹の雪が、遂に祝言を挙げます。その最中、守り袋を日本橋の小間物屋・桝田屋へ納めに行くと、丁度居合わせた仕立屋の参太郎が福寿草の意匠をいたく気に入り、どうしても買いたいと手付を払ってまで懇願しました。職人同士の絆、誇り、友情、交流を描いた、人情時代小説第6巻。
光文社文庫
佐伯泰英さんの『用心棒稼業 芋洗河岸(2)』
美濃国苗木藩を出て、神田明神下にある一口長屋に流れ着いた小此木善次郎は、江戸で初めての新年を迎えます。初詣に賑わう神田明神で騒ぎが勃発。青柳道場では師範として若手の指導に奔走します。長屋の女連のための行楽を工面した善次郎だったが、それが芝居小屋を動転させる大捕物に発展し、長屋に隠された謎は、そこから思いがけぬ展開を見せて……。3カ月刊行シリーズの第2巻は目が離せません。
細谷正充編さんの『いくつになっても 江戸の粋』現代よりだいぶ早くに隠居し、余生を生きた江戸のお年寄りたちが魅せる命と心の輝き。次の世代に伝えてゆく、自らの意気と生き様とは。青山文平さん、永井紗耶子さん、浅田次郎さんの短編3編と、泉ゆたかさん、志川節子さん、坂井希久子さんの書下ろし短編3編が楽しめる時代小説アンソロジー。
双葉文庫
遠藤遼さんの『源氏物語あやとき草子(二) 国母の女房』
一条院内裏が火事で焼失。幸い一条天皇をはじめ中宮彰子や敦成親王、紫式部は難を逃れましたが、この一件をきっかけに藤原道長の心は、再び皇后定子の実子・敦康親王廃立へと動き出します。
紫式部は彰子の意を受け、道長の心を少しでも変えようと、『源氏物語』第二部で主人公・光源氏の零落をこれでもかとばかりに描き出すことに。そんな折、今度は一条天皇の病が進行し、譲位が現実味を帯びてきました。道長の野望を阻止すべく、彰子と紫式部が考えた策とは!? 平安王朝絵巻第2弾。
講談社文庫
桃野雑派さんの『老虎残夢』
湖に浮かぶ孤島で、武術の達人・泰隆が遺体となって発見されました。三人の武侠を招き、うち一人に「奥義」を授けるとしていた矢先のことでした。孤絶した楼閣は、特殊な武芸を身につけた彼らをもってしても侵入は不可能にみえます。泰隆の愛弟子・紫苑は、姉妹以上の絆で結ばれた恋華とともに、その謎に挑みます。
第67回江戸川乱歩賞受賞の中国武侠ミステリー。
集英社文庫
天野純希さんの『もろびとの空 三木城合戦記』
東播磨の大名、別所家の本城である三木城。当主の長治は信長に反旗を翻しますが、織田勢を率いる秀吉に攻められ、村人を巻き込んだ過酷な籠城戦が始まりました。飢えに苦しむ彼らは、究極の選択を迫られ……。家族を守るため、戦場へ向かう村娘。「死に損ない」と罵られ、次こそ死のうと敵を斬り続ける武士。女らしさの呪縛に悩みながら、女の身で陣頭に立つ別所家の妻。戦の裏側にある、名もなき生の物語。
植松三十里さんの『イザベラ・バードと侍ボーイ』
伊東は旅行作家イザベラの通訳ガイドとして東北へ向かいます。戊辰戦争の傷跡が残る地方は貧しく……。英国人が見た開国後の日本とは。
『日本奥地紀行』の著者と知られる、イザベラ・バードの日本取材旅行を描いた長編小説。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし
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