時代小説●文庫新刊情報|2023年10月下旬の新刊(21日→月末)
2023年10月21日から10月末日の間に文庫で出る時代小説の新刊情報です。
新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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角川文庫
北野武さんの『首』
羽柴秀吉と千利休に雇われ、謀反人や落ち延びた敵を探す旅をしていた曾呂利新左衛門。その道中に偶然、織田信長に反旗を翻し、有岡城から逃走する荒木村重を捕らえました。この首の価値はいかに。一方、丹波篠山の農民・茂助は、播磨へ向かう秀吉の軍勢を目撃し、戦で武功を上げようと、雑兵に紛れ込みますが……。信長、秀吉を巻き込み、首を巡る争奪戦。映画『首』原作です。
泉ゆたかさんの『おしどり長屋 おんな大工お峰 お江戸普請繁盛記』
子どもを腹に抱え、気が立つ女房のために、長屋を普請してほしい……。大工の文太から依頼を受けたお峰は、さっそく長屋を検分しますが、どうやら苛立つのは身籠ったからだけではなありません。文太にはわからない女房の思いを、お峰は普請で汲み取ることはできるのでしょうか? お江戸の難普請を請け負うおんな大工お峰の活躍を描く、シリーズ第2弾です。
鷹井伶さんの『わたしのお殿さま』
紀伊の刀鍛冶の家系に生まれた美禰は、後継者となるべく鋒国の名を与えられ、男を装うよう育てられました。ところが、美禰は七夕の神事のさなかに獰猛な熊に襲われそうになります。間一髪のところで彼女を救ったのは、伊勢に配流されてきた、将軍の弟・松平忠輝でした。運命に抗う2人の物語がはじまります。
芝村凉也さんの『風燃ゆる』
争乱の続く時代、小館の領主・佐双顕猛の砦が風嶽党に襲われ、側室のお蓮の方が攫われましたた。顕猛は、この不始末に対し、正室の子である壬四郎に、側室奪還を命じます。無理難題を押しつけられ、孤立無援の壬四郎に助け船を出したのは、客将の福坂幹是軒でしたが……。
末國善己編さんの『君を恋ふらん 源氏物語アンソロジー』
2024年の大河ドラマの世界を、歴史小説の名手たちが織りなすアンソロジーで先取りしませんか?
光源氏の養女は、お転婆娘!(「やんちゃ姫 玉かつらの巻」田辺聖子)。放浪の僧侶が秘めた懊悩とは?(「髪」瀬戸内寂聴)。和泉式部の奔放な恋を描く(「桜子日記」永井路子)。皇女に嫌がらせをするのは誰? (「朝顔斎王」森谷明子)。高名な巫女が召したのは、醜い少女だった(「照日鏡──葵上」澤田瞳子)。朝廷の権力闘争と、女房たちの創作の源を描く(「栄花と影と」永井紗耶子)。
千野隆司さんの『成り上がり弐吉札差帖』
武家社会の中で江戸の裏長屋暮らしだった少年・弐吉は、直参の侍の狼藉がもとで両親を亡くし、札差・笠倉屋で小僧奉公をすることに。家族を奪った武家への強い恨みを心の底に持ちつつも日々夢中で働いていました。
また、札差の仕事を通じて、傲慢で威張ってばかりいるようにしか見えなかった直参御家人のお金事情やそれぞれの家の問題点が見えてきて、弐吉は、この稼業に一生をかけようと決めました。
知恵と人情を武器に、札差の世界でのし上がっていく若者の出世奮闘記、始動!
二見時代小説文庫
伊丹完さんの『お殿様の出番 大江戸秘密指令3』
隠密長屋に暮らす、世直し隠密、橘左近はガマの油を売る湯島天神で、若い娘が男に包丁で切りかかられるのを助けます。そこには危険な南蛮煙草が絡んでいました。
一方、隠密たちの元締め、藩主で老中の松平若狭介は老舗菓子屋の主に騙されそうになりますが……。痛快さと軽妙さが魅力のシリーズ第3弾。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
●10月24日発売 KADOKAWA・角川ソフィア文庫 | |||||
『明治大正史 世相篇』 | 柳田国男 | ||||
『藤原公任 天下無双の歌人』 | 小町谷照彦 | ||||
『紫式部と王朝文化のモノを読み解く 唐物と源氏物語』 | 河添房江 | ||||
『日本人の仏教史』 | 五来重 | ||||
●10月24日発売 KADOKAWA・角川文庫 | |||||
★ | 『首』 →記事:「2023年10月下旬の新刊(文庫)」をアップ |
北野武 | |||
★ | 『おしどり長屋 おんな大工お峰 お江戸普請繁盛記』 | 泉ゆたか | |||
『後宮の宵に月華は輝く 琥珀国墨夜伝』 | 紙屋ねこ | ||||
♪ | 『ご隠居同心 女湯の喧嘩』 | 永井義男 | |||
★ | 『わたしのお殿さま』 | 鷹井伶 | |||
★ | 『風燃ゆる』 | 芝村凉也 | |||
★ | 『君を恋ふらん 源氏物語アンソロジー』 | 末國善己編 | |||
★ | 『成り上がり弐吉札差帖』 | 千野隆司 | |||
●10月24日発売 中央公論新社・中公文庫 | |||||
■ | 『新装版-朱唇-中華妓女短篇集』 | 井上祐美子 | |||
■ | 『うぽっぽ同心十手綴り-凍て雲』 | 坂岡真 | |||
●10月25日発売 春陽堂書店・春陽文庫 | |||||
■ | 『竜尾の剣』 | 池波正太郎 | |||
♪ | 『矢柄頓兵衛戦場噺』 | 横溝正史 | |||
●10月26日発売 二見書房・二見時代小説文庫 | |||||
♪ | 『越中なさけ節 小料理のどか屋 人情帖39』 | 倉阪鬼一郎 | |||
★ | 『お殿様の出番 大江戸秘密指令3』 →記事:銘菓の隠し味の秘密と、新任の北町奉行の正体を暴け |
伊丹完 | |||
●10月30日発売 新潮社・新潮文庫 | |||||
■ | 『外科室・天守物語』 | 泉鏡花 | |||
『ギリシア人の物語4:新しき力』 | 塩野七生 | ||||
『幽世の薬剤師5』 | 紺野天龍 |
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