時代小説●文庫新刊情報|2023年10月中旬の新刊(11日→20日)
2023年10月11日から10月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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PHP文芸文庫
細谷正充編集さんの『えどめぐり <名所>時代小説傑作選』
神田、日本橋、両国……、物語が息づく江戸の町を人気時代作家による傑作短編で巡る八百八町の“観光”アンソロジー。「後の祭」(朝井まかて)、「名水と葛」(篠綾子)、「鐘ヶ淵――往還」(田牧大和)、「両国橋物語」(宮本紀子)、「凍る月」(宮部みゆき)の五編収録。
双葉文庫
馳月基矢さんの『義妹にちょっかいは無用にて(1)』
『拙者、妹がおりまして』9巻で突然、義妹ができた大平将太、二十歳の心模様を描く新リーズ、スタート。
家格の釣り合いのため、いったん大平家の養女となった理世にひと目惚れしてしまった将太。理世の結婚が破談になったことで、その心は乱れますが、長崎から一人(と一匹)で江戸に出てきて心細い理世のため、保護者であり良き兄であろうと恋情を押し隠し続けます。
徳間文庫
鈴峯紅也さんの『海商』
山本音吉は、天保三年に弁才船で出航しました。しかし船は難破。漂流後、辿り着いたのは異国の地でした。帰国することも許されず、音吉は海外で生き抜くこととなり……。日本人として初めて英国に立ち、一流商社で才を発揮した山本音吉=ジョン・М・オトソン。日英和親条約の締結にも尽力、福沢諭吉にも影響を与えながらも、ついに故国に帰ることのなかった男の烈々たる生涯を描いた歴史長編。
文春文庫
宮城谷昌光 さんの『孔丘 上』『孔丘 下』
春秋時代、魯に生を享けた孔丘は、家族の情愛に恵まれずに育ちますが、詩と礼を愛する青年となりました。三十で官途を辞し、首都・曲阜に建てた教場には次々と若者達が入門してきました。有力貴族が主君を脅かす魯にあって古の学問への探究心やみがたく、四十を迎えんとする孔丘は、先進国・周に留学します。儒教の祖・孔子の生涯を描く大河小説。
冲方丁さんの『剣樹抄 不動智の章』
幕府の隠密組織「拾人衆」の一員となった無宿の少年、六維了助。明暦の大火を引き起こした盗賊の「極楽組」を追う中で、父を殺した憎き男の正体が慕っていた光國とわかりました。裏切られた思いで仇討ちに走ろうとする了助を、剣術家の柳生義仙が取り押さえ、二人は廻國修行の旅へ……。エンターテインメント時代小説第2弾。
宮本紀子さんの『むすめの祝い膳 煮売屋お雅 味ばなし』
腹を空かせた町人たちが頼りにしている、旬のお菜をたっぷり揃えた「旭屋」。見世の主であるお雅は、おかみさんたちの希望で、桃の節句に合うお菜をこしらえることに。年に一度のお祝いのために知恵をしぼるお雅ですが、雛祭りを喜べない娘がいることもわかり……。
「旭屋」を取り巻く、温かくて少し切ない人間模様を描く時代小説第2弾。
光文社文庫
山本巧次さんの『岩鼠の城 定廻り同心 新九郎、時を超える』
江戸南町奉行所・定廻り同心の瀬波新九郎は、以前、二百年前の戦国時代にタイムスリップ。鷹の城と呼ばれる播磨・青野城での密室殺人を見事解決したあと、再び江戸時代に戻っていました。新九郎は、同心としての日常を取り戻し、江戸城下で根津の常磐津の師匠のお涼が首を絞められて殺された一件を調べていました。疑わしい者が何人か挙がり、探索を進めていたところ、またも突然タイムスリップ。はたして飛んだ先は文禄年間の京・伏見でした。そこで、新九郎は殺しの探索に乗り出すのですが……。石田三成、島左近、宇喜多秀家、加藤清正など歴史上の人物が続々登場する異色のシリーズ第2弾。
講談社文庫
和久井清水さんの『かなりあ堂迷鳥草子2 盗蜜』
江戸の飼鳥屋「かなりあ堂」を兄と二人で営むお遥。血のつながらない兄妹はそれぞれ辛い過去を持っていました。馴染みの棒手振りの太助の様子がおかしいと気づいたお遥は、持ち前の行動力を発揮して原因を探ります。やがて彼女の過去を知る人物が現れて……。「鳥」が謎をよぶ連作時代ミステリー第2弾。
時代小説文庫
森明日香さんの『おくり絵師』
故郷の仙台で母親を亡くし天涯孤独となったおふゆは、母の最期の言葉を頼りに江戸に行き、縁あって、絵師歌川国藤のもと、住み込みで修業中の身。思うような絵が描けず、悩んでいたある日、亡くなった役者の姿を描いた「死絵」に出会います。
一方、幼少時に仙台で知り合った昔馴染みで役者の三代目富沢市之進が、浅草の芝居小屋の夏興行でついに主役を張るといいます。おふゆは市之進の母親お京に誘われ、初日の舞台を見に行くことになりますが……。『写楽女』で、第14回角川春樹小説賞を受賞した著者の書き下ろし時代小説。
集英社文庫
吉川永青さんの『戦国・江戸 ポンコツ列伝』
徳川家康、伊達政宗など、歴史上の“スゴイ”人たち。実は彼らは“ポンコツ”でした──。歴史時代初心者、大歓迎の痛快・時代小説の始まりです。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし
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