時代小説●文庫新刊情報|2023年9月中旬の新刊(11日→20日)
2023年9月11日から9月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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光文社文庫
あさのあつこさんの『乱鴉の空』
北町奉行所定町廻り同心の木暮信次郎の姿が消えました。奉行所はおろか屋敷からも姿を消し、信次郎から手札を預かる岡っ引きの伊佐治は、大番屋に連れていかれます。伊佐治の解き放ちに奔走した小間物問屋『遠野屋』主・清之介は伊佐治と二人で信次郎を捜し始めます。一方、北町奉行所に不審な者の影が。シリーズ第十一弾は驚愕の展開。
山本巧次さんの『鷹の城 廻り同心 新九郎、時を超える』
激動の戦国を経た安土桃山時代の天正六年。羽柴秀吉は東播磨の城を囲んでいました。一方、江戸南町奉行所の同心・瀬波新九郎は下手人を追うなか、崖から転落し、天正時代にタイムスリップしました。新九郎の眼前には、甲冑姿の戦国武士たちがいました。ひょんなことから滞在を許された青野城内で殺人が起き……。なんとシリーズ化されます。
双葉文庫
風野真知雄さんの『わるじい義剣帖 【一】-またですか』
元目付で剣の達人である愛坂桃太郎は、愛する孫の桃子が母親である珠子と同心の雨宮五十郎の役宅に身を寄せることになってしまってからひと月、屋敷で寂しく退屈な日々を過ごしていました。桃太郎のもとに、雨宮邸の向かいの長屋で人が殺されたとの報せが飛び込んできて、愛する孫のため、頼りにならない雨宮に代わって事件を解決するべく、桃太郎は老骨に鞭打ち立ち上がります。待望の新シリーズが開幕。
金子成人さんの『ごんげん長屋つれづれ帖 【七】-ゆめのはなし』
貸本屋の与之吉が貸し出した本に記されていた『たすけて』の文字。与之吉から話を聞いたお勝と女房のお志麻が貸りました。ところが書いた者が名乗り出ることはなく困惑するお勝たちですが、数日後、若い娘が『ごんげん長屋』を訪ねてきて……。くすりと笑えてほろりと泣ける、これぞ人情物の決定版シリーズ第7弾。
井原忠政さんの『三河雑兵心得 【十二】-小田原仁義』
秀吉による天下統一の総仕上げとして、いよいよ北条征伐が始まりました。天下の堅城に対し、二十万人の秀吉軍は各個撃破を選択、徳川勢は東海道からの進軍を阻むため箱根に築かれた山中城を攻略することに。茂兵衛率いる鉄砲百人組は西の丸の陥落を目指し、北条流の畝堀と堀障子に苦しめられながらも、知恵と根性をふり絞って少しずつ前進します。戦国足軽出世物語、難攻不落の第12弾。
藤原緋沙子さんの『藍染袴お匙帖(14)-雨のあと』
松井町の番屋に急に呼び出された桂千鶴。駆けつけると、元女郎のおつねが腕を折られるなど酷い暴行を受け苦しんでいました。浪速屋で働く女郎たちの過酷な暮らしを見ていられず、女将に談判しようとしたところ、男衆から殴られたり蹴られたりしたのだと語ります。しかしおつねも女将の肩を刺したことで、一人で罪を負わされそうになっていました。その様子を見かねた千鶴は……。累計100万部突破の人気シリーズ第14弾。
講談社タイガ
小島環さんの『唐国の検屍乙女 水都の紅き花嫁』
11世紀半ばの中国・北宋。人生に絶望した少女許紅花が破天荒な天才少年高九曜とバディを組み、検屍から謎を解く、中華×ミステリー×ラブコメの第2弾。
講談社文庫
今野敏さんの『天を測る』
安政7(1860)年、咸臨丸が浦賀港からサンフランシスコを目指して出航しました。太平洋の長い航海では船室から一向に出てこようとしない艦長・勝海舟を尻目に、アメリカ人相手に互角の算術・測量術を披露。さらに、逗留中のアメリカでは、放埒な福沢諭吉を窘めながら、日本の行く末を静かに見据える男の名は、小野友五郎。男は帰国後の動乱の中で公儀、そして日本の取るべき正しい針路を測り、奔走することになります。知られざる幕末の英雄の物語。
創元推理文庫
上田朔也さんの『ダ・ヴィンチの翼』
治癒の力をもつ少年コルネーリオが見つけた瀕死の男は、フィレンツェ共和国政府の要人の一人、芸術家ミケランジェロの密偵で、故国を救うために万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチが隠した兵器の設計図を探していました。病弱だが聡明な少女フランチェスカと共に探索の一行に加わったコルネーリオは、敵の追っ手が迫るなか天才の残した手がかりを追います。
2022年、『ヴェネツィアの陰の末裔』で第5回細谷正充賞を受賞した著者の歴史ファンタジイの第2弾。
集英社文庫
西條奈加さんの『心淋し川』
第164回直木賞受賞作。
江戸、千駄木町の一角は心町(うらまち)と呼ばれ、そこには「心淋し川(うらさびしがわ)」と呼ばれる小さく淀んだ川が流れていました。川のどん詰まりには古びた長屋が建ち並び、そこに暮らす人々もまた、人生という川の流れに行き詰まり、もがいていました。
裏長屋で飯屋を営む与吾蔵は、仕入れ帰りに立ち寄る根津権現で、小さな唄声を聞く。かつて、荒れた日々を過ごしていた与吾蔵が手酷く捨ててしまった女がよく口にしていた、珍しい唄だった。唄声の主は小さな女の子供。思わず声をかけた与吾蔵でしたが……。心がほんわかと温まり、癒される連作6編を収録。
野口卓さんの『出世払い おやこ相談屋雑記帳』
めおと相談屋の看板が「おやこ相談屋」に掛け替えられました。テンポよく読ませる人情時代小説、新シリーズ開幕。
泉ゆたかさんの『母子草 お江戸縁切り帖』
身寄りのないお糸は縁切り状の代筆をする「縁切り屋」を営んでいます。お客の兄弟や親との縁切りの難題に向き合いながら、好きな男との将来に……。シリーズ第4弾。
strong>潮文庫
鷹井伶さんの『続 家康さまの薬師』
康と阿茶(瑠璃)の夢はひとつとなりました。しかし、時代の奔流は二人を未曽有の戦乱へと押し流します。本能寺に散った信長。窮地に追い込まれた家康が取った伊賀越えの道。野心を表した秀吉との小牧長久手の戦い。物語はついに、関ヶ原そして大坂の陣へ。
薬師として、女として、命と向き合い、誰もが共に生きる道をめざし、阿茶は奮闘します。秘薬「紫雪」を残して消えた父の謎、病に倒れる家康、豊臣の女たちと交わした和平への道筋とは……。待望の続編。
伊東潤さんの『覇王の神殿』
飛鳥を舞台に、蘇我馬子の国づくりにかけた生涯を描いた古代歴史ロマン。
時は570年、病床に臥す父・蘇我稲目から強大な豪族・蘇我一族の頭目の座を受け継ぎいだ馬子。以来、大王に次ぐ大臣として、日本に渡ったばかりの仏教に根差した国家を目指して邁進していくきます。
理想のためには謀略や暗殺も辞さず、馬子は血塗られた覇道を歩んでいくきます。
宿敵・物部守屋との争い、日本最古の女性天皇・推古との知られざる関係、天才・聖徳太子への嫉妬と恐れなど、功罪相半ばする日本最古の〝悪役〟の実像とは。
!おすすめ度
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■:新装版/復刊
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