時代小説●文庫新刊情報|2023年7月下旬の新刊(21日→月末)
2023年7月21日から7月末日の間に文庫で出る時代小説の新刊情報です。
新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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角川文庫
鈴木英治さんの『江戸の探偵』
石見国加瀬津、叔父が切腹を装った他殺体で見つかり、下手人を見抜いた普請方同心、永見功兵衛は、剣の腕前と頭の切れから、城主の小姓に登用されます。やがて藩を揺るがす陰謀に巻き込まれた功兵衛は城主を救うため、江戸へ奔ります。文庫書き下ろし時代小説の名手である著者が贈る、新シリーズ開幕。
永井義男さんの『ご隠居同心』
身請けされた吉原の花魁の脱出を手伝ってほしい――、南町奉行所の同心を長年勤め上げて引退した成島重行は、隠居生活を始めた矢先に厄介な問題を持ち込まれました。
畠中恵さんの『あしたの華姫』
江戸は両国の見世物小屋で評判の、姫様人形・お華と、その遣い手の月草。月草が声色を変えてしゃべっているはずなのだが、「お華には特別な力がある」「真実を語る」ともっぱらの噂。
陰謀渦巻く両国で、月草はお夏を守りきれるのでしょうか? 一人二役、二人で一人、月草とお華の謎ときが始まります。
集英社文庫
朝井まかてさんの『類』
第34回柴田錬三郎賞受賞作。
明治四十四年、文豪・森鴎外の末子として誕生した類。優しい父と美しい母志げ、姉の茉莉、杏奴と千駄木の大きな屋敷で何不自由なく暮らしていました。大正十一年に父が亡くなり、生活は一変。大きな喪失を抱えながら、自らの道を模索する類は、杏奴とともに画業を志しパリへ遊学。帰国後に母を看取り、やがて、画家の娘と結婚。明るい未来が開けるはずが、戦争によって財産が失われ困窮していきます。
鴎外の末子、森類の愛と苦悩に満ちた生涯を描いた長編小説。
神永学さんの『火車の残花 浮雲心霊奇譚』
「地獄の業火で焼かれるがいい」女の口から漏れた赤い炎が、男の全身を包んだ――。川崎の宿場町で妖怪・火車が次々と人を焼き殺すという怪異が発生。憑きもの落とし・浮雲と薬の行商・土方歳三は、道中で知り合った才谷梅太郎((実は坂本龍馬)とともに調べを進めると、そこには若く美しい女の悲しい物語が秘められていました。
時代小説の概念を覆す、幕末ホラーミステリ。
(公社)日本文藝家協会編さんの『時代小説 ザ・ベスト2023』
気鋭の作家から時代小説をリードする作家まで、佐々木功、矢野隆、今村翔吾、米澤穂信、伊吹亜門、木下昌輝、蝉谷めぐ実、斜線堂有紀、武川佑、花房観音による、2023年を代表する傑作時代小説短編集。
中公文庫
上田秀人さんの『夢幻(上)(下)』
本能寺で織田信長が討たれました。わずかな供と堺にいた盟友の徳川家康は、明智光秀の追っ手から逃れるため切腹せんとするも、本多忠勝ら重臣に止められます。ここで死ねば、三河と駿河・遠江の家臣がそれぞれ幼少の息子たちを担ぎ、家が「割れる」と。
英傑とその後継者の相克を描いた、骨太な戦国ドラマ第一部・徳川家康篇。
下巻は第二部・織田信長篇。
二見時代小説文庫
西川司さんの『深川の重蔵捕物控ゑ2 縁の十手』
重蔵が世話をして所帯を持った長吉が女房を捨てて幼馴染の女、商家の主の妾と一緒になると言います。ところが、その主が妾の家の近くで殺されているのが見つかり、現場には長吉の手拭いが落ちていました。別れ話にもじっと忍ぶ長吉の女房、重蔵の推理が下手人を追い詰める、シリーズ第2弾。
新潮文庫
志川節子さんの『芽吹長屋仕合せ帖 日日是好日』
長屋に暮らしながら縁結びの仕事に生きがいを感じているおえん。だが、三十路半ばにして、ふと思案することも。私は一人で生きていくのだろうか……。 そんな時、持ち込まれたのは、あろうことか、別れた夫の再婚話、そして自分の見合い話でした。
縁が縁を呼び、人と人がつながっていく中で、出会えたご縁とは。芽吹長屋仕合せ帖シリーズ最終巻。
仁志耕一郎さんの『凜と咲け 家康の愛した女たち』
したたかに、大胆に、女の筋を通した女性たち。正室築山御前〈最後の恋〉にはじまり、出奔した側室お万ノ方の破天荒な生き方、老いても家康に大切にされた西郡ノ局、大坂落城後、秀頼の妻千姫を誠実に励ましたお夏ノ方、下層の出自ながら懸命に仕えた茶阿ノ方、女性として最高位に昇りつめた阿茶ノ局……。家康を支えながらも、自分らしく生き抜いた魅力的な六人を存分に描き出す傑作短編集。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
●7月21日発売 KADOKAWA・角川ソフィア文庫 | |||||
『小右記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』 | 藤原実資 | ||||
『増補カラー版 九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史』 | 山本聡美 | ||||
『現代語訳 江戸府内絵本風俗往来』 | 菊池貴一郎 | ||||
●7月21日発売 KADOKAWA・角川文庫 | |||||
♪ | 『大河の剣(七)』 | 稲葉稔 | |||
★ | 『江戸の探偵』 | 鈴木英治 | |||
『蒼き太陽の詩3 アルヤ王国宮廷物語』 | 日崎アユム | ||||
★ | 『ご隠居同心』 | 永井義男 | |||
■ | 『神剣 人斬り彦斎』 | 葉室麟 | |||
★ | 『あしたの華姫』 | 畠中恵 | |||
『皇帝の薬膳妃 赤椿と蒼き地の波瀾』 | 尾道理子 | ||||
♪ | 『高家表裏譚7 婚姻』 | 上田秀人 | |||
●7月21日発売 集英社・集英社文庫 | |||||
★ | 『類』 | 朝井まかて | |||
★ | 『火車の残花 浮雲心霊奇譚』 | 神永学 | |||
『ばけもの厭ふ中将 戦慄の紫式部』 | 瀬川貴次 | ||||
★ | 『時代小説 ザ・ベスト2023』 | (公社)日本文藝家協会編 | |||
●7月21日発売 中央公論新社・中公文庫 | |||||
♪ | 『剣神 心を斬る-神夢想流林崎甚助7』 | 岩室忍 | |||
★ | 『夢幻(上)』 | 上田秀人 | |||
★ | 『夢幻(下)』 | 上田秀人 | |||
『歴史のなかの邂逅-同時代篇』 | 司馬遼太郎 | ||||
■ | 『ゆめはるか吉屋信子-秋灯机の上の幾山河(中)』 | 田辺聖子 | |||
●7月25日発売 春陽堂書店・春陽文庫 | |||||
■ | 『天保図録(三)』 | 松本清張 | |||
■ | 『天保図録(四』 | 松本清張 | |||
■ | 『女人国伝奇』 | 山田風太郎 | |||
●7月26日発売 二見書房・二見時代小説文庫 | |||||
『徒目付暁純之介御用控 潔白の悪企み』 | 榊一太郎 | ||||
♪ | 『無敵の別式女 古来稀なる大目付9』 | 藤水名子 | |||
『柳橋ものがたり 10』 | 森真沙子 | ||||
★ | 『深川の重蔵捕物控ゑ2 縁の十手』 | 西川司 | |||
●7月28日発売 新潮社・新潮文庫 | |||||
★ | 『芽吹長屋仕合せ帖 日日是好日』 | 志川節子 | |||
■ | 『金春屋ゴメス 因果の刀』 | 西條奈加 | |||
★ | 『凜と咲け 家康の愛した女たち』 | 仁志耕一郎 |
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