時代小説●文庫新刊情報|2023年6月上旬の新刊(1日→10日)
2023年6月1日から6月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
→新刊情報リストを見る
小学館文庫
上田秀人さんの『勘定侍 柳生真剣勝負〈七〉 旅路』
柳生宗矩の意に背いて、淡海一夜は柳生十兵衛と大和へ向かっていました。東海道を上り、ようやくたどり着いた箱根で、早くも関所番頭から足止めの嫌がらせに遭いました。
一方、信州高遠藩の保科肥後守正之を執政にすべく、領地替えを企む徳川将軍三代家光の野望を果たさんと、宗矩は加藤明成が統べる会津藩に潜り込ませた伊賀者に密命を発しました。他方、一夜の嫁を望む信濃屋の永和と伊賀忍の佐夜はついに江戸に足を踏み入れ、駿河屋総衛門に厄介に。雲煙飛動のシリーズ第7弾。
文春文庫
佐伯泰英さんの『猪牙の娘 柳橋の桜』
桜子は神田川に架かる柳橋から父が猪牙舟を操る姿を眺め、自分もあのような船頭になる日を夢見ていました。待望の書き下ろし新シリーズの幕が開きます。4カ月連続刊行。
夢枕獏さんの『陰陽師 水龍ノ巻』
源博雅の無垢さが鬼をもうろたえさせる「読人しらず」、若き日の蝉丸の恋と、ある秘儀を描いた中篇「蘇莫者」、碧い眼の陰陽師が登場する「秘帖・陰陽師 赤死病の仮面」など、全8編を収録。シリーズ第17巻。
あさのあつこさんの『舞風のごとく』
小舞六万石が大火に見舞われました。山河豊かで災害も少ない土地で、城下の半分に迫る町が焼け落ちたことで、人々は混乱に陥ります。筆頭家老の後嗣・樫井透馬は、執政会議で一刻も早く救済策を講じることを主張しますが、前例主義に凝り固まった藩の上層部は有効な策を講じることができません。
苛立ちが募る透馬は、少年の頃から剣を通じて身分を超えた友情をはぐくみ、今は側近として取り立てている新里正近、山坂半四郎と共に人々の救済に乗り出します。
『火群のごとく』『飛雲のごとく』に続く第3弾にして、感動の完結篇。
澤田瞳子さんの『駆け入りの寺』
落飾した皇女が住持を務める比丘尼御所。そのひとつである林丘寺では、前住持であり後水尾帝の皇女・元瑶と、現住持である霊元帝の皇女・元秀を中心に、宮中と同じような生活が営まれていました。出家の身でありながら、和歌管弦、琴棋書画を嗜む。尼たちの平穏で優雅な暮らしのなかに、ある日飛び込んできたのは「助けてほしい」と叫ぶ、若い娘――。
現世の苦しみから逃れた、その先にあるものとは何なのでしょうか。雅やかで心に染み入る連作時代小説。
祥伝社文庫
長谷川卓さんの『運を引き寄せた男 小説・徳川吉宗』
「兄を殺るなら今しかない」紀州二代藩主光貞の四男、松平頼方は野望を抱いていました。七人の忍びに兄頼職を暗殺させ、藩主の座に就こうとしたのです。五十五万石を継ぎ吉宗と改名するや、己が藩の財政建て直しに成功。老中に”餌”を撒き、筆頭尾張を抑えて八代将軍に就任します。一方、尾張藩主継友は吉宗暗殺を企て……。「幕府中興の祖」の裏側に切り込む野心作。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし
↑ 新刊情報Topへ|← 2023年5月の新刊 下(21日→月末)|2023年6月の新刊 中(11日→20日) →