時代小説●文庫新刊情報|2023年4月中旬の新刊(11日→20日)
2023年4月11日から4月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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PHP文芸文庫
あさのあつこさんの『星に祈る おいち不思議がたり』
父のような医者になりたいと願う娘おいち。女性の医者を育てるための医塾が開かれることになり、おいちは、希望に胸を膨らませ、夢への第一歩を踏み出そうとします。
そんななか、深川で謎の連続失踪事件が発生。忽然と姿を消した四人に、共通点は見出せません。不可解な事件が気になるおいちの許に、岡っ引の仙五朗が思いがけない情報を携えてやって来ました。
この世に思いを残して死んだ人の姿を見ることができるおいちは、事件を解決に導くことができるのでしょうか。一方、心を寄せ合う新吉との関係も、新たな局面を迎えます。人気の青春「時代」ミステリー第5弾。
光文社文庫
佐々木功さんの『織田一 丹羽五郎左長秀の記』
織田信長公死す――本能寺が燃え落ち、織田家中の誰もが右往左往するなか、「織田一の男」と謳われた丹羽長秀は何を思い、何を為すのでしょうか? 山崎の合戦、清洲会議、賤ヶ岳の戦い、小牧・長久手の戦い。歴史の転換点で長秀が見せた不可解な言動の裏には、未来を見据えた深謀遠慮がありました。『信長公記』の著者、太田牛一の視点から描かれた戦国秘史。
辻堂魁さんの『川烏 介錯人別所龍玄始末』
牢屋敷の首打役と刀の試し斬り御用を生業にする浪人、別所龍玄二十二歳。武家からの依頼を受け切腹の介錯を務めることも。剣術において天稟の才を持ち、刀一本で首打ちに臨む凄腕の龍玄、その真の姿を知る者はわずか。
太平の世、罪と不条理、生と死の狭間にあって、江戸の市井を気高く生きた一人の侍の姿を描き出す、シリーズ第2作。
伊集院静さんの『48 KNIGHTS もうひとつの忠臣蔵』
元禄十四年、赤穂藩主・浅野内匠頭は吉良上野介に対し刃傷、即日切腹の裁定が下りました。仇討ちかお家再興か。未曾有の事態のなか、家老・大石良雄の決意は「君、辱められし時は、臣死す」。すでに一命を賭すことを覚悟していました。良雄を陰で支える“四十八番目の志士”とは!? 史上名高い四十七士の復讐劇を新たな視点で描き切る歴史長編。
双葉文庫
佐々木裕一さんの『新・浪人若さま 新見左近 【十三】 忠義の誉』
葵一刀流が悪を斬る、痛快時代シリーズ第13弾も赤穂浪士の討ち入りがテーマ。
松の廊下の一件から時が流れ、赤穂藩士たちによる仇討ちの噂も下火となる中、左近は未だ堀部安兵衛たちの行方をつかめずにいました。仇討ちを止めたい左近は、強い決意を胸に、友のもとへ向かうのですが……。元禄期最大の騒動、ついに決着。
馳月基矢さんの『拙者、妹がおりまして(9)』
勇実の手習所を手伝う、医者の家の三男坊である大平将太に妹ができました。というのは、長崎の薬種問屋に江戸における商売に有益な縁談がまとまり、嫁入りする当の娘が家格の釣り合いを取るため、まずは養女として大平家に入ったからでした。
ところが、将太はあろうことかその妹にひと目惚れ。そのうえ縁談は破談になってしまっので、さあ大変。キュンキュンする青春時代シリーズ第9弾。
芝村凉也さんの『北の御番所 反骨日録【七】 辻斬り顛末』
深川で半月おきに三件、辻斬りと思われる殺しが発生し、同一犯の犯行とみられていました。裄沢広二郎の幼馴染みで深川が縄張りの来合は警戒を強めますが、やがてまた辻斬りが現れました。
さらに被害者は、いずれも岡場所帰りという共通点が見付かり……。上役ウケはすこぶる悪いが洞察力は群を抜く、やさぐれ同心裄沢の奮闘を描く痛快シリーズ第7弾。
徳間文庫
森岡浩之さんの『夢のまた夢 若武者の誕生』
戦乱で親を失った少年・神照庚丸は、養い親の僧侶・浄林の縁で大坂城に上がり、豊臣秀頼の奥小姓となりました。折から迫る徳川家康の圧力。秀頼に取り立てられ若武者となった彼は、関ヶ原の戦いを生き延びた島左近を軍師に迎え、戦場へ向かうことに……。「大坂の陣」での庚丸の命運は? そして、彼は一体、何者なのでしょうか?
『星界の紋章』シリーズなどで人気の、SF界の鬼才が描く歴史時代エンターテインメント。
時代小説文庫
汀こるものさんの『贋富くじと若さま 煮売屋なびきの謎解き仕度』
幼い頃の火事で親兄弟と生き別れになった少女・なびきは、養父の久蔵の元で煮売屋を営んでいます。富士参りから久蔵が帰ってきて、落ち着きを取り戻したと思ったのも束の間、ツケをため過ぎて逐電したはずの、店の常連客の荒太が江戸に舞い戻ったことで、思わぬ問題が巻き起こります。
目黒不動の富くじを当てたという荒太の振る舞いで、浮足立つ常連客たち。威勢の良さと持ち前の推理力で、難事を鮮やかに解決する江戸前コージー・ミステリー、第2弾です。
講談社文庫
夢枕獏さんの『大江戸火龍改』
禍々しきは、吾の出番。妖退治屋をなりわいとする麗しき謎の男、遊斎の事件簿。
満開の桜の下で茶会を催していた一行から悲鳴が。
見れば大店のお女将の髪が逆立って、身体ごと持ち上がっていき、すっかり桜の花に隠れてしまいました。見上げる者たちの顔に点々と血が振りかかり、ぞぶ、ぞぶ、ごり、という音のあと、どさり、と毛氈の上に女の首が落ちてきました……。
遊斎は、飴売りの土平、平賀源内らとともに、この怪奇な事件の謎を追います。
上田秀人さんの『悪貨 武商繚乱記(二)』
幕府も商家がつけ上がるのを座視はできず、老中首座の土屋相模守が密命を下し、目付の中山出雲守を大坂東町奉行の増し役に任じます。
東町奉行所で孤立していた同心、山中小鹿に、中山出雲守は目をつけて「武家を金の力から守れ」と言い渡します。小鹿は武士の沽券をかけ、権力を裏で操ることに長けた上方豪商との争いに巻き込まれていきます。武と金の戦いを描く新シリーズ、刮目の第2巻。
創元推理文庫
伊吹亜門さんの『刀と傘』
慶応三年、新政府と旧幕府の対立に揺れる幕末の京都で、若き尾張藩士・鹿野師光は一人の男と邂逅しました。名は江藤新平――後に初代司法卿となり、近代日本の司法制度の礎を築く人物で。二人の前には、時代の転換点ゆえに起きる事件が次々に待ち受けていました。
維新志士の怪死、密室状況で発見される刺殺体、処刑直前に毒殺された囚人……動乱の陰で生まれた不可解な謎から、論理の糸は名もなき人々の悲哀を手繰り寄せます。第12回ミステリーズ!新人賞受賞の連作時代本格推理。第19回本格ミステリ大賞受賞した注目作品の待望の文庫化。
!おすすめ度
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