時代小説●文庫新刊情報|2022年9月上旬の新刊(1日→10日)
2022年9月1日から9月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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文春文庫
浅田次郎さんの『大名倒産 上・下』
260年の間に、積もり積もった借金はなんと25万両! 長男はショックで急死してしまった。丹生山松平家12代当主は、次男三男を飛び越えて庶子の四男・小四郎に跡を継がせて隠居すると、「大名倒産」の準備を進めます。
何も知らずに大名家の家督を継いでしまった小四郎は、糞がつくほどの真面目さ誠実さを武器に何とか倒産を防ごうと必死の「経営再建」に乗り出しますが……。
小学館文庫
山本巧次さんの『まやかしうらない処 信じる者は救われる』
本郷菊坂台にある占い処「瑠璃堂」の女主人千鶴の占いは当たると評判で、少々高い見料でも客は引きも切りません。実は千鶴に占いの才はありません。鋭い観察眼と卓抜した推理力、あとは口八丁で依頼人を丸め込んでいるのでした。ある日、正右衛門という男が相談にやってきました。家作を貸している男の行方が分からなくなり、居所を占ってほしいというもの。怪しい借主に金儲けの気配を感じた千鶴は、瑠璃堂の調査役・権次郎と、執事役・梅治とともに調べに乗り出します。
今村翔吾さんの『てらこや青義堂 師匠、走る』
明和七年、太平の世となって久しい江戸・日本橋で寺子屋の師匠をつとめる坂入十蔵は、かつては凄腕と怖れられた公儀の隠密でした。
さまざまな個性の筆子たちに寄りそう日々を送っていましたが、藩の派閥争いに巻き込まれた筆子の一人、加賀藩士の娘を助ける際、元忍びという自身の素性を明かすことになる……。著者の初期の傑作青春時代小説、遂に文庫化。
双葉文庫
金子成人さんの『ごんげん長屋つれづれ帖【五】-池畔の子』
お勝の息子の幸助が、顔に傷をこしらえて帰ってきました。なんでも、不忍池の畔に暮らす〈池の子〉と呼ばれる孤児たちと喧嘩になったのだといいます。
青物売りのお六が川に捧げた胡瓜が喧嘩のもとだと知ったお勝は、お六とともに孤児たちのもとに向かいます。これを機に、お勝とお六は〈池の子〉たちとの絆を深めていくのですが――。大物脚本家が贈る、人情長屋小説シリーズ第5弾です。
徳間文庫
木下昌輝さんの『金剛の塔』
聖徳太子によって百済から連れてこられた宮大工が創業した世界最古の建築会社、金剛組をモチーフに描く連作長編。
彼らが伝えた技術は、飛鳥、平安、戦国と時代を超えて受け継がれ、火災や戦乱で何度も焼失しましたが、それぞれの時代の宮大工たちが五重塔を甦らせます。
木造の五重塔は地震で倒れたことは無いという建築の秘密を明らかにする歴史ロマン。
三咲光郎さんの『お月見侍ととのいました 父と大江戸爆弾魔』
天明二年。五十六歳で同心の仕事を辞めた安兵衛は、のんびりと毎日を過ごしていました。そんな日々を揺るがす事件が起こります。何者かの火付けにより、江戸の町で火薬樽が大爆発したのでした。
大坂で天文学を学んでいた、ごく潰しニートの息子新次郎が江戸に帰ってきて、事件解決のヒントを見つけますが……。自然科学を武器に、親子バディが大爆発の謎に挑みます。
第78回オール讀物新人賞、第8回松本清張賞受賞の推理小説家による、時代小説デビュー作。
井川香四郎さんの『島津三国志』
今も尚、鹿児島の人たちに愛される戦国時代の猛将として名高い島津義弘。信長、秀吉、家康たちが台頭していくなか、鎌倉時代から続く島津家を存続させるだけでなく、広い視野で九州を平定しようとした島津義弘と兄弟たちを描く長篇歴史小説。
PHP文芸文庫
細谷正充さん編集の『はなごよみ〈草花〉 時代小説傑作選』
いま話題の女性時代作家たちによる、桜、あじさい、朝顔、菊、椿……言葉にできない思いを花に託した、美しくも切ない時代小説アンソロジー。
収録作は、「吉原桜」中島要さん、「桜の森に花惑う」廣嶋玲子さん、「あじさい」梶よう子さん、「ひとつ涙」浮穴みみさん、「縁の白菊」諸田玲子さん、「侘助の花」宮部みゆき。
祥伝社文庫
馳月基矢さんの『友 蛇杖院かけだし診療録』
深川で出没した毒の薬売り「黒い暖簾」だと疑われて、蛇杖院の蘭方医鶴谷登志蔵が消えました。事件の背後に登志蔵をおとしめるものの存在を知った見習い医・長山瑞之助は、必死にその行方を追います。蛇杖院にも嫌がらせが始まるなか、三年前の悲劇が明らかに。医師は患者を前に何をなすべきなのでしょうか? 患者に寄り添う医師たちの青春群像劇第3弾。
だいわ文庫
知野みさきさんの『深川二幸堂 菓子たより』
兄・光太郎と弟・孝次郎が営む江戸深川の菓子屋「二幸堂」は間口を広げ、新しい縁に恵まれ、今日も人々の心に寄り添う菓子を供しています。待ち焦がれた命の誕生を祝う朝顔を象った練切「すくすく」、肉桂の粉で花を描いた白餡の水羊羹「睡蓮」など、心を込めて作られる極上の甘味が、縁ある人の幸せを願う想いを静かに照らします。
大人気時代小説「深川二幸堂菓子こよみ」シリーズに続くもうひとつの物語。
!おすすめ度
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■:新装版/復刊
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